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年収の壁について知りたい

「年収の壁」は全部で4つ

いわゆる「年収の壁」と呼ばれる、社会保険の保険料や所得税控除の適用などの収入上の区切りが4つあります。

年収の壁 概要 ポイント
103万円 年間収入が103万円を超えた場合、本人に所得税が段階的に賦課される。 ・世帯の手取り収入は減少しない。
106万円 従業員101人以上の企業※1に勤務する人で、雇用契約時に所定内賃金※2が月8.8万円以上となると、被用者保険が適用され保険料負担が生じる。

・厚生年金保険の給付や健康保険上の傷病手当金などの給付が上乗せされる。
・手取り収入が減少する。

130万円 第3号被保険者(会社員など健康保険、厚生年金保険加入者の配偶者)の年間収入の見込額が130万円以上となった場合※3、配偶者の扶養からはずれ、国民年金・国民健康保険に加入するため保険料負担が生じる。

・国民年金の給付は変わらない。
・手取り収入が減少する。

150万円 年間収入が150万円を超えた場合、その配偶者が受ける配偶者特別控除が段階的に減少する。

・世帯の手取り収入は減少しない。
(税制上の控除が減少する)

  • 1 2024(令和6)年10月以降は51人の企業。
  • 2 毎月支払われる基本的な賃金を指し、時間外手当や家族手当、通勤手当、賞与などは除く。
  • 3 今後1年間の収入を見込む際には、例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3カ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書などと照らして、総合的に将来収入の見込みを判断することとしている。

<厚生労働省「第7回社会保障審議会年金部会(令和5年9月21日)資料」をもとに作成>

派遣やアルバイトなどで働く人、配偶者の扶養に入ってパートで働く人など、「年収の壁」を超えて働くと、社会保険制度(健康保険、厚生年金保険)が適用されて保険料の負担が生じたり、扶養からはずれたりすることから、「年収を壁」を超えないために就業時間が長くならないよう意識して「就業調整」を行う人がいます。

短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働ける環境づくりを支援するための施策があります。

配偶者のいる女性パートタイム労働者の約2割が就業調整

パートタイム労働者のうち、就業調整をしている人は15.9%、配偶者がいる女性のパートタイム労働者では21.8%(約5人に1人)となっています。

就業調整をする理由について、全体では「自分の所得税の非課税限度額(103万円)を超えると税金を払わなければならないから」が46.1%で最も多く、次いで「一定額(130万円)を超えると配偶者の健康保険、厚生年金保険の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから」が44.6%で多くなっています。
配偶者がいる女性では「一定額(130万円)を超えると配偶者の健康保険、厚生年金保険の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから」が57.3%と最も多く、次いで「自分の所得税の非課税限度額(103万円)を超えると税金を払わなければならないから」が49.6%と多くなっています。

就業調整の有無別パートタイム労働者の割合

就業調整の有無別パートタイム労働者の割合

※総数には配偶者の有無不明が含まれる。

<厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」/令和3年>

就業調整の理由別パートタイム労働者の割合

就業調整の理由別パートタイム労働者の割合

※総数には配偶者の有無不明が含まれる。
は、最も多い理由、は次に多い理由(「その他」を除く)。

<厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」/令和3年>