雇用保険について知りたい
失業した人や就職、雇用の継続を維持することが難しい人に給付金等を支給する制度
雇用保険は、労働保険の一つで、主に失業した人の生活を保障するための給付を行います。さらに、就職のための教育訓練を受けた場合や、高齢により賃金が一定以上下がった場合、育児や介護のために休業した場合などの給付も行います。
雇用保険は、労働者を雇用する事業所には強制的に適用されます。一般の事業の雇用保険料率は9.5/1000で、事業主が6.5/1000、被保険者が3/1000となっています(2022(令和4)年4月現在)。
- 2022(令和4)年10月以降、一般の事業の雇用保険料率は13.5/1000(事業主8.5/1000、被保険者5/1000)に引き上げられる予定です。
雇用保険制度の給付
失業等給付 | 求職者給付 | 一般被保険者(65歳未満)に対する求職者給付 | 基本手当 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
技能習得手当 | 受講手当 | |||||||
通所手当 | ||||||||
寄宿手当 | ||||||||
傷病手当 | ||||||||
高年齢被保険者(65歳以上)に対する求職者給付 | 高年齢求職者給付金 | |||||||
短期雇用特例被保険者に対する求職者給付 | 特例一時金 | |||||||
日雇労働被保険者に対する求職者給付 | 日雇労働求職者給付金 | |||||||
就職促進給付 | 就業促進手当 | 再就職手当 | ||||||
就業促進定着手当 | ||||||||
就業手当 | ||||||||
常用就職支度手当 | ||||||||
移転費 | ||||||||
求職活動支援費 | 広域求職活動費 | |||||||
短期訓練受講費 | ||||||||
求職活動関係役務利用費 | ||||||||
教育訓練給付 | 教育訓練給付金 | |||||||
雇用継続給付 | 高年齢雇用継続給付 | |||||||
介護休業給付 | ||||||||
育児休業給付 | 育児休業給付金 | |||||||
雇用保険二事業 | 雇用安定事業 | |||||||
能力開発事業 |
失業給付の基本手当 2021(令和3)年8月現在
65歳未満の被保険者が失業したときに、賃金の日額に応じて決まる基本手当日額を、所定の日数の範囲内で受けることができます。
ハローワーク(公共職業安定所)で手続きを行います。
<給付の条件> 原則、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12カ月以上あること
(特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あること)
<基本手当日額> 賃金(退職する直前の6カ月に支払われた給料)÷180日
<所定給付日数>
区分 | 被保険者期間 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |||||
一般の被保険者 | 定年退職・自己都合退職等の場合 | 全年齢 (65歳未満) |
― | 90日 | 120日 | 150日 | |||
倒産、解雇、雇い止めなど やむを得ない事由により離職した場合 | ~29歳 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― | |||
30~34歳 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |||||
35~44歳 | 150日 | 240日 | 270日 | ||||||
45~59歳 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |||||
60~64歳 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 | |||||
身体障害などにより就職困難な人 | ~44歳 | 150日 | 300日 | ||||||
45~64歳 | 360日 |
注:新型コロナウイルス感染症等の影響に対応し、基本手当の給付日数を60日(一部30日)延長する特例が設けられた。
<賃金日額・基本手当日額の下限額・上限額>
賃金日額 | 基本手当日額 | |||
---|---|---|---|---|
下限額 | 上限額 | 下限額 | 上額 | |
~29歳 | 2,577円 | 13,520円 | 2,061円 | 6,760円 |
30~44歳 | 15,020円 | 7,510円 | ||
45~59歳 | 16,530円 | 8,265円 | ||
60~64歳 | 15,770円 | 7,096円 |
<新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金> 2022(令和4)年4月現在
新型コロナウイルス感染症等の影響により事業主の要請により休業し、休業期間中に賃金(休業手当)を受け取ることができなかった被保険者は給付金を受けることができます(休業前賃金の80%。日額上限9,900円または11,000円)。対象となる休業期間は企業規模によって異なりますが、2022(令和4)年6月までです。
高年齢雇用継続給付 2021(令和3)年8月現在
高年齢(60~64歳)の被保険者で、60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満に低下した人が受けることができます。 被保険者期間が5年以上あることが必要です。
<支給する下限額> 2,061円
<支給する上限額> 360,584円
<60歳到達時点の賃金月額> 下限額 77,310円 上限額 473,100円
育児休業給付金 2021(令和3)年8月現在
被保険者が育児のために休業した場合に受け取ることができます。
育児休業開始日前2年間に、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月が12カ月以上ある場合に支給対象となります。 その上で、育児休業期間中の各1か月ごとに、休業開始前の1カ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないことおよび就業している日数が1カ月ごとに10日(10日を超える場合は、就労している時間が80時間)以下であることが必要となります。
<支給額>
支給額は、育児休業開始から180日間は休業開始時賃金の67%、6カ月経過後は50%です。
※育児休業とは産後57日~子どもが1歳になる前日までの期間をいいます。保育園に入れないなど、やむを得ない事情があり育休を延長する場合は、最長で子が2歳になる前日まで取得することができます。
<給付金の上限額> 支給率67%のとき 301,902円
支給率50%のとき 225,300円
介護休業給付 2021(令和3)年8月現在
被保険者が家族の介護のために休業した場合に受け取ることができます。
介護休業開始日前2年間に、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月が12カ月以上ある場合に支給対象となります。 その上で、介護休業期間中の各1カ月ごとに休業開始前の1カ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないことおよび、就業している日数が1カ月ごとに10日以下であることが必要となります。
<支給額>
支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数(30日)×67%です。
※休業終了日の属する支給対象期間については、当該支給対象期間の日数
※支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給
<給付金の上限額> 332,253円