教員対象セミナー基調講演『中学・高校で必要な保険教育とは?-いま、中高生に知っておいてほしいこと-』
【目次】
1.はじめに
2.保険とは?
3.生命保険とは?
4.年金とは?
5.社会保険とは?
6.損害賠償責任とは?
7.火災保険、地震保険とは?
8.おわりに
明治大学商学部の浅井と申します。できるだけ楽しい時間にしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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金融教育というと、資産運用のお話が実は多いです。例えば、「インフレは分かりますか」というのが一番よくある質問です。インフレが起こると、物が買えるようになりますか、買えなくなりますかという話です。私の世代はまだ子どもの頃に物価が上がったことがありますが、20代、30代になると、物価が上がるという経験がありませんので、教育の方向性として物価やインフレについて理解してもらうのが大事だと思っています。
それから、二番目によくある質問が「複利について理解できていますか」です。金利に金利が付く状況は、お金を預ける側からすると非常にありがたく、お金がどんどん増えていくことになります。お金を借りる側に回ると、どんどん借金が膨らんでいくことになるわけです。こういうことが分かっているかどうか、世界的に各国が動いて、きちんと教えていこうという動きになってきています。三番目は「分散投資が分かっていますか」という質問です。
今申し上げた3つの質問で言いますと、分散投資の理解が、世界各国共通して低いです。そして、日本はこの3つの知識がOECD各国の中でも正解率が割と低い方で、残念ながらG7の中でも低い方だと知られています。
本日ご参加の先生方は家庭科や公民科が多いと事前に伺っております。また、事前のアンケートを拝見していると、「どうやって教えたらいいのか悩んでいる」や、「社会保険などは教科書にも載っているので、公民科でも教えやすいが、民間の保険をどの程度教えるべきか分からない」といった質問が多かったように思います。これについては、社会保険がまずあって、その足りない部分を民間の保険で補うため、まずは社会保険をしっかりと理解することが大事なのかなと個人的には考えています。
私が消費者の立場として非常に重要だと思っているのは死亡保険です。万が一のときには遺族年金もありますが、基本的に民主主義で資本主義のこの国においては、自己責任だということになりますので、あまり保障が充実していません。一方で、早く死んでしまった場合はともかくとして、長生きしてしまった場合はどうかと言うと、会社員の場合は公的年金保険で厚生年金という形で保険料を納めていますので、本当に最低限の生活はできます。ある程度の長生きのリスクについては一定程度整っていると思います。一方で、自営業の方は、国民年金だけでは心許ないかなという気がしますが、定年がなく、いつまでも働くことが可能です。
まずは社会保険など国が提供している保険について、きちんと教科書レベルで理解することが大事なのかなと思います。また、一人だけの意見に偏らないで立場の違う人にも相談してみることも良いと、研究上は言われています。金融知識がある人ほど複数の人にアドバイスを求めることが分かってきています。
次に、先生方から「自分自身が保険のことがよく分からない」というお声を頂戴しています。教え方も含めて私がどの程度お役に立てるか分かりませんが、大学での保険の教え方を少しお見せする形で、今後の教育現場でお役に立つものがあればいいなと思いながら、お話しさせていただきます。
生徒たちからすると、自転車保険は恐らく入っておいた方がいいタイプの保険になるかと思います。また、生命保険の中でも特に死亡保険と個人賠償責任保険はおそらく入っておいてもいいのではないかと個人的に思っています。
保険教育のお話ですが、一つ分かってきたことは、保険知識があるという消費者ほど自転車保険、もしくは個人賠償責任保険に入る傾向があることです。先生方が生徒たちに保険のことを教えると、生徒たちはお家の方にお話しするかもしれないですし、生徒自身が独立した消費者になったときに「そういえば保険に入っておいた方がいいと聞いたな」というように、自分の知識となって自転車保険の加入に向かうのではないかと思っています。研究からも、保険教育は保険購入を促し、適切なリスク管理につながることが分かってきています。
それでは本題に入っていきたいと思います。冒頭で申し上げましたが、社会保険などをしっかり理解しておくことが、生徒たちにとって非常に重要ではないかと思っています。公的年金保険などのところで、民間の保険にも触れながら、何が最低限必要なのかについて触れながらお話しさせていただきます。
1.はじめに
データが間違っているのではないかと思うほどですが、元本割れを起こす可能性があるが、収益性が高いと見込まれる金融商品の保有意思について消費者にお尋ねしたデータがあります。2024年のアンケートになりますが、「収益性が高い、価格変動があるけれどもそういう商品を積極的に買ってもいい」という人が15%位です。元々は2~3%位だったものが6倍増、7倍増になっています。また、「一部は保有しようと思っている」というのは、分散投資という考え方からいくと、適切な方なのかなと思っていますが、こういう方も元々は15%位だったのが、現在は35%位になっています。
資産運用は非常に積極的になってきています。お金を増やすという知識も非常に重要ですが、資産を守ることについての知識も重要です。家を守るだとか、自分の生命を金銭換算すると一体幾らなのかなど、そういったお金やものについての知識を持っていただきたいです。
ただ、日本に関して言うと資産運用、特に分散投資の教育がそれほど浸透しているわけではありません。投資と言うと、生徒たちは馬券を買うような感覚で、株が当たった、外れたみたいな感覚で捉えているかもしれないですが、少しずつお金を増やしていくのが資産運用で、投資と博打は違うという点を間違えないように伝えていかないといけません。
次に、20代は「老後不安の次の世代」ということで、その割合が非常に多くなってきています。2007年の時点では老後の生活資金の不安は10%位でしたが、現在は40%位になっています。一方で、保険に興味を持ってもらうチャンスだとも思います。このデータを見ると、「老後に資金は要るから、やっぱり分散投資による資産運用が必要だよね」と感じている人が増えてきていることがわかります。
先生方が直面しておられる喫緊の問題は、金融教育が始まっているが、保険への関心が十分に高まっていないという状況になろうかと思っています。
金融知識の研究だと、女性の金融知識の水準が低いということが、各国で明らかになっています。これは日本だけにとどまりません。なぜ性差があるのかはよく分かりません。ところが、私の研究結果だと、専業主婦の生命保険の知識は高いことが分かっています。人は、必要に迫られるとその知識を習得するようになっていくのではないかと思っています。保険や金融、資産運用を身近に感じてもらって、自分事なのだと感じて勉強してもらうことが一番大事なところなのかなと感じています。
先ほど申し上げましたように、自転車保険は多くの都道府県でもう義務化されているので、「義務化されているよね」といった話や、「事故を起こしたときに相手方に1億円を払えるお金はある?」といったように、とんでもないお金を払うことになるかもしれないといったお話などが考えられます。中高生は、あまり身近に感じることができませんが、そういう形で話すことで、割と身近に感じてもらえるのではないかなと思っています。
2.保険とは?
では、保険とは一体どんなものなのかという話に入っていきます。保険は大きく分けると第一分野、第二分野、第三分野の3つに分けることができます。
第一分野は生命保険で、人の「生きる」と「死ぬ」に関するリスクです。生命保険というと、死亡リスクだけがクローズアップされてしまいますが、実は長く生きてしまうのもリスクです。女性の平均寿命は80歳後半、男性だと80歳前半です。男女とも80~90歳位まで生きるのかなと、何となく暗黙に思っていると思います。一方、40代後半で家族を遺して亡くなると、いわゆる早死のリスクに該当します。
第二分野は損害保険で、モノに関するリスクです。モノとは物理的な物を指します。例えば自転車保険で言えば、モノに関する補償と誰かに損害を与えてしまった際の賠償責任を補償する2つのタイプがあり、それぞれを損害保険で備えられます。
生命保険の特徴は時間軸が長いことです。一方で損害保険の場合、大体1年毎の契約になっているかと思います。また、火災保険や自動車保険、個人賠償責任保険など、色々なタイプのリスクを扱います。ありとあらゆる人の「生きる」と「死ぬ」以外のリスクに関する商品を扱っているのが損害保険です。
第三分野は何かと言うと、がん保険や医療保険になります。第一分野と第二分野で扱わないものを扱っているのが第三分野で、新しく出てきた保険です。第三分野は人の生き死にでもなく、モノでもなく、人のケガや病気を扱います。
私が高校生だったとき、生命保険は死ぬリスクで、損害保険はモノのリスクだということは何となく知っていました。しかし、当時賠償責任は知りませんでした。生徒さんたちも知らないのではないかと思います。また、10~20代のときに長生きがリスクだと考えたことはありませんでしたが、今は年金制度や貯蓄に興味がある若者が増えてきていますので、伝えてもいいのではないかと思います。
3.生命保険とは?
多くの人は、子育て中の最たるリスクと言えば「死のリスク」だと考えています。死亡のリスクに備えることは、日本においては主に個人に委ねられていますが、遺族年金が受け取れる場合がありますので、本当に必要な生命保険の金額を考える際には、受け取れる遺族年金の金額を計算して、その分で足りない分を死亡保険で賄うことを考えます。
生命保険には他にも色々な機能があります。定期保険が一般的だと思いますが、貯蓄をしながら死亡保障にも備えるタイプの養老保険があったりします。戦後間もない時期は貯蓄もできるし、死亡保障もできるということで人気があった商品です。現在は、貯蓄は投資信託やNISAで備えて、死亡の保障は定期保険で備えるといったように、保険と運用を切り離して行っている消費者が多いような印象を受けます。また、終身保険と呼ばれるタイプの保険もあります。死亡時の受取人を指定できるため、この子にいくら渡したいという相続目的で使っている方が多い印象を持っています。
生徒自身が60~70歳になって相続を考える時代になってくると、終身保険の知識も要るかもしれません。また、貯蓄性がある保険については、保険からお金を借りることもできます。契約者の貸付制度や保険を解約すると返戻金が戻ってくるタイプの保険もあります。死亡保障以外にも実は色々なタイプで備えられます。
4.年金とは?
平均寿命まで生きることを想定していれば、平均寿命よりも長く生きるのは長生きのリスクになります。長生きのリスクには、ある程度国民年金や厚生年金で備えることができます。経済学では双曲性と呼ばれていますが、若い頃に老後の想像をすることは難しく、長生きのためのお金は備えていないということが起こりやすくなります。
公民科ではまさに授業をされているかと思いますが、国民皆年金であり、全国民が年金に加入することになっています。世代間扶養という点で、現在働いている人が退職して年金を受け取っている方たちに保険料を支払っていることになります。
年金は3階建てと呼ばれています。国民年金が1階部分にあたり、これは全員が加入することになっています。職業に関わらず、自営業の方も1階の国民年金の保険料を支払います。会社員等の方は60歳とか65歳まで給与があり、1階含む2階部分の厚生年金の保険料を勤め先に対して、会社と折半して納めています。自営業の方は国民年金に必ず加入していますし、会社員等の方は厚生年金と国民年金を併せて加入していることになります。ここまでが義務の部分である公的年金と呼ばれるものです。
次に3階建ての3階部分についてです。ここは、会社員などでも該当しない人はたくさんいます。企業によっては、企業年金が福利厚生の一環として提供されているのが企業年金という理解でいいかと思います。時間の都合で詳細には立ち入りませんが、特に確定拠出年金では、ますます資産運用でどういった商品を選ぶのかが重要になってきています。お金のことは誰かに任せておけばよいのではなく、自分事として捉える、自分が責任を取るということです。これをよくよく考えてみると、まさに資本主義の国においては、割と当たり前なのかもしれません。自分が得たお金を自分で処分する、使い道を決めるというのは、資本主義の世界の原則です。それが、ありとあらゆるお金の話にも及び始めてきたということになろうかなと思っています。
次に国民年金の加入率の話です。自営業の方等、国民年金を自分で納付するというようなスタイルの人たちの加入率が落ちてきています。免除などの色々な規定が設けられましたので加入率は回復傾向にありますが、納付の数自体は、増えていないと思っています。
その年金に関して、国民年金や厚生年金など、色々な年金の名前が出てきて分かりにくいというのが、一消費者としての感想です。おそらく、生徒もこの辺りが分からないのではないかなと思っています。国民年金と厚生年金、企業年金の区別が付きにくく、大学でテストをしても6割位の正解率になっています。講義を受けているはずなのですが、国民年金と厚生年金、企業年金の区別が付いてない大学生が多々います。
社会保険方式がありますが、ある程度納めておかないと、老後に年金を受け取れない仕組みになっていることも、生徒は知っておかないといけないのかなと思います。よく間違えがちですが、年金を受け取れないかもしれないから納めなくていいのではないかといった話が出てきますが、老齢年金だけに限らず、障害年金や遺族年金が受け取れます。最近の言葉で言うと、コスパがいいのが社会保険になるのではないかなと思います。自分は長生きしないからと言う人もいますが、長生きだけをカバーしているわけではなく、別の機能もあることを知っておいた方が得であり、メリットがあります。
さらに、何歳まで生きると得、何歳まで生きないと損という話は、年金ではよく話題になりますが、損得で加入するものではなく、万が一長生きしてしまった場合に備えるものになると思います。損得の話ではないのが年金制度です。それから考えると、年金の受給では繰り上げや繰り下げが可能ですが、繰り下げると金額は増えるため、120歳まで生きたとしても増えたままの金額が受け取れます。ただ、先に受け取っておいて自分が運用した方がいいという人もいます。要するに、損得論で一概には言えない部分になります。
保険はリスクに備えるもので、年金も広い意味では長生きのリスクに備えるタイプの保険です。例えば、受給を70歳まで繰り下げると、受け取れる金額は42%増です。
世代間扶養のお話ですが、生徒にお伝えいただきたいと個人的に思うのは、年金は損得論ではないという点です。また、主観が強く出ており申し訳ありませんが、コスパといったお話をするのであれば、先ほど申し上げたように年金は必ずしもコスパが悪いとは言えません。賦課方式のメリット・デメリットについて、実はメリットの部分も大きいのですが、現在は人口減少社会ですので、デメリットの部分が強く出てしまっていて、それが年金への不安をもたらしているのかもしれません。
企業年金では、確定拠出年金がどんどん増えてきている傾向があります。大企業に勤めるのは日本の労働者の3割位で、7割は中小企業に勤めています。すべての企業が企業年金を採用しているわけではありませんが、代表的なものとしては、確定拠出型年金、確定給付型年金をあげることができると思います。
5.社会保険とは?
社会保険は政府が政策上の目的を達成するためものだと教科書に書いてあります。先生方は当然ご存じかと思いますが、社会扶助と社会保険は違います。社会扶助は保険料を負担してなくても受けられる、いわば生活保護のような制度を指します。社会保険は、保険料を負担した者のみが受けられます。
民間保険と何が違うのかと言うと、民間の保険会社は営利目的で行っています。株主に配当することなどがどうしても必要になりますので、税金で運営するよりも、その分を上乗せしないといけない部分が出てきます。そもそも、営利目的でやっているため、私たちが保険に申し込んでも、「あなたはリスクが高すぎるからお断りします」という形で断ることが可能です。一方で、社会保険は強制加入の形を取っているため、労働者は全員健康保険や雇用保険に加入することになります。
もう一つの違いとしては、社会保険の場合、年齢を重ねるにつれて大抵の人は所得が増えていくと思いますが、それに応じて年金保険料や健康保険料などは上がっていきます。健康保険は一般的に3割負担です。給付は増えるし、負担も増えますが、受けられるサービスは同一になっていて、所得の再分配機能が働いています。
所得が低くて病気がちな人は、給付の観点から言えば、その恩恵が十分に受けられるような形になっています。人は多くの場合、健康状態を自分で選べないことが多いため、逆選択の問題が起こらないように、社会保険の多くは対象者が全員加入する皆保険の仕組みになっています。
逆選択は、民間の保険会社だとよく問題になります。「保険に加入したい」と言ってくる人の健康状態が悪い場合、もしかしたら保険で得をすることができるかもしれません。だから自分から保険に加入したいと言ってくる人には注意しないといけないという話があります。加入を本人の意思に任せてしまうと、保険に加入することによって、儲かる人ばかりが保険に加入してくることになってしまう可能性があります。究極的にはどうなるかと言うと、保険に加入することによって儲ことができる健康状態が悪い人ばかりが保険に加入してしまい、保険制度が成り立たなくなります。年金も然りで、長生きしそうな人ばかりが加入してしまうと、年金が成り立たなくなってしまいます。そういった事態を避けるために、社会保険の多くは皆保険制度の仕組みになっています。
自営業者の人は国民健康保険に加入します。大まかに言うと、会社員は健康保険、公務員は共済組合、自営業者は国民健康保険となります。国民健康保険は自営業者が中心ですので、労使折半がありません。つまり、使用者がいませんので、保険料が全額自己負担になります。半分会社が負担してくれない分、高くなります。更に配偶者の分を含めると、非常に負担が大きくなります。
組織で働くメリットは、雇用者が健康保険料や社会保険料を半分負担してくれていることです。一方で、将来的に起業して雇う側に回る生徒もいるかと思いますが、彼らに事前に話しておかないといけないのは、人を雇う場合、例えば400万円の給料で雇うのであれば400万円の給料だけではなく、社会保険料も負担しないといけないという点です。
最後に労災です。労災保険の保険料は全て雇用主が負担してくれています。今までお話した厚生年金などは給料明細の中に出てきます。40歳以上であれば、介護保険料も控除されます。しかし、労災保険料が引かれている明細をご覧になったことはないかなと思いますが、これは雇用主が全額支払っているためです。通勤中にけがをした場合も、治療費などを支払ってくれます。
6.賠償責任保険とは?
賠償責任保険は、誰かに損害を与えてしまった場合の保険です。目に見えないタイプの保険ですので、実は加入率があまり高くないことが知られています。
自転車保険で言えば、自転車利用者の中で6割位しか加入していません。義務化がない県だと、半分以下位しか加入していません。個人賠償責任保険が自転車保険もカバーしますが、あまり加入が進んでいないのが実態です。
弁護士の数も増えていますので、社会の流れ的に、アメリカ社会のように訴訟が増えていく可能性が高まっています。ですので、訴訟に備えるための色々なタイプの賠償責任保険があります。会社を経営していたりゴルフしたりする場合も含めて、賠償責任保険の必要が高まってきているので、啓蒙していかないといけないのではないかと考えられます。
7.火災保険、地震保険とは?
火災保険は、家を購入する際に住宅ローンを組むことになるかと思いますが、一緒に加入することになります。ひとつ知っておかないといけないのは、地震や津波によって家屋が倒壊した場合、火災保険ではカバーされないということです。東日本大震災を経験しましたので、私たちは知っていますが、若い消費者は結構知りません。地震保険も生徒たち含めて知っておいた方がいいのかなと思います。
火災保険、地震保険の世帯加入率は、都道府県によって異なります。おそらく住宅ローンの残高が大きい段階では特に地震保険も必要だと思っています。貯蓄がたくさんあるのであれば問題ありませんが、貯蓄があまりないような状況で住宅ローンを組んでいる場合こそ、保険を準備しておかないといけません。貯蓄の代わりに保険で対処するという考え方です。
実際にリスクが起こったとき、かつては半分位までしかカバーできなかったのですが、民間の保険会社が競争を広げてきており、現在では、ほとんど全額がカバーされるようなタイプの地震保険が提供され始めています。
8.おわりに
生命保険と損害保険では、対象とするリスクの質が異なっています。死亡のリスクに備えるのは、主に個人に委ねられている部分がありますので、ここに関して民間の保険について学校で触れる必要があるかもしれないと思っています。また、金融知識が求められているような時代になっています。賠償責任にも保険が必要になっていること、民間の保険会社が提供する地震に関する保障が増えてきていることなども重要です。さらに、組織で働くと実は雇用者が社会保険料の半分を負担してくれているのだということは、今後仕事をする際に、生徒が知っておいてもよいことだろうと思います。
以上で私のお話とさせていただきたいと思います。ご静聴ありがとうございました。
