―要約―

介護のインフラ整備と社会的入院の解消についての一考察

永野 博之

医療費の抑制、特に社会的入院を含む入院期間の長期化の是正が強く求められている。我が国の入院期間(平均在院日数)は諸外国と比べて長く、慢性疾患患者の増加という疾病構造上の変化や、大病院志向に代表される医療施設への過度の依存がその要因と指摘されている。一方、近年我が国では介護のインフラ整備や疾病予防としての保健活動が毎年着実に進展・拡充している。これらの施策は、医療施設への依存からの脱却を図る手がかりとして期待されている。

こうした介護インフラ整備や保健活動等が、実際に平均在院日数に与える影響について都道府県別データをもとに検証したところ、介護インフラ整備の進展は平均在院日数の短縮化に有効であることがわかった。今後、公的介護保険制度による社会的成果をみていく際、介護のみの観点に留まらず、社会的入院の解消度合を示す医療機関の平均在院日数という観点にも着目する必要があるだろう。

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