―要約―

変額個人年金保険の市場推計と販売に関する考察

小久保豪

2002年10月に銀行等金融機関において一部生命保険商品が販売可能となったのを受け、変額個人年金保険(以下変額年金)の保有契約は急速に拡大し注目を集めている。その背景には公的年金制度等への不安から、自助努力による老後生活資金の確保に向けた意識が高まってきたこと、また長引く低金利により改善されない運用環境、ペイオフの受け皿商品としての銀行の期待などを挙げることができる

変額年金に対する消費者の意識をみると、認知度は年代、年収が高くなるにつれて上がっていく傾向があり、また長期的な資産形成に適しているという変額年金の特徴を認識している人は加入意向が強いことがわかった。さらに、変額年金に関し、メリット、デメリットなどの情報を提供した上で、知識付与後の加入意向を確認すると、将来的に約20%の人が変額年金に加入する可能性があるとの結果を得ることができた。しかし消費者の金融資産保有については依然リスク回避的な性格を持ったままである。

こうした状況の中、変額年金市場の今後の伸長を予測するためモデルを構築し、将来推計を行った。アンケート調査をもとに試算を行った結果、57兆9,858億円にまで市場が拡大するとの推計結果が得られた。更に、変額年金将来市場の大半を占めることとなった、預貯金から変額年金への資金移動を促すことで推計結果を上回る拡大を図ることが可能となるだろう。そのために必要なことは、消費者に対する投資教育と、販売する金融機関がコンサルティング能力を高めるための教育であり、更には変額年金の税制に対するメリットを拡大するための国の施策が必要となってくると思われる。

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