―要約―

非正規従業員向けの福利厚生制度の現状

原啓司

非正規従業員はすでに1,500万人を超え、全雇用労働者の30%を超えるに至っている。この多数を占めるに至った非正規従業員向けの福利厚生制度の導入状況をみると、正規従業員に比べて低水準であり、非正規従業員の利用率も少数に留まっている

ただ、非正規従業員を長期安定的に雇用しようとしている企業や積極的に採用しようとしている企業においては、福利厚生制度の導入数が平均を上回っているなど経営方針による格差が認められた。

一方、非正規従業員の福利厚生制度に対する満足度は、導入率、利用率の低さを反映し、不満の割合が高くなっていた。また、導入して欲しい制度としては、医療、レジャー分野の導入意向が高い割合を示しており、相対的に導入意向が低い企業の方針とは必ずしも合致していない状況である。

効率性、経済性といったメリットから非正規従業員へのシフトが進んでいる現状においては、非正規従業員向けの福利厚生制度も賃金とパラレルでといった発想で設置している企業が大半であろう。

しかし、非正規従業員を基幹化し、正規従業員と同等の戦力と位置づけていく企業においては、これまでの福利厚生制度の延長ではなく、新たな制度のあり方を模索し、より戦略的に構築していくことが求められるのではないだろうか。

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