―要約―

金融商品選択時におけるIT活用による知識獲得効果

原田 裕介

 

金融商品を購入する際に、インターネットなどITを活用して情報収集することは、消費者にどのようなメリットをもたらすのであろうか。IT活用が消費者にもたらすメリットを検証した。本稿では、世の中にある情報を収集して、消費者が記憶として蓄積したものを消費者の獲得した知識と呼んでいる。
  ITを活用することは、単位時間あたりの比較検討商品数や比較検討金融機関数を増やすことにつながり、知識獲得を効率化していることが明らかになった。ITを活用して情報を収集すると、活用しない場合に比べて、収集情報の充足度が高まり、知識獲得の量的効果が確認された。さらに、収集情報に対する質的満足度も向上し、IT活用による知識獲得の質的効果も検証された。結果として、質量ともに十分な知識を得て金融商品を購入したIT活用者は、購買行動に対する満足度が高まり、それに伴い顧客ロイヤルティも高まる傾向がうかがえた。
  消費者にとって、金融商品購入時にITを活用して情報収集することは、金融商品・金融機関に関する知識を効率的に獲得できるメリットがある。さらに、高い知識に基づいて購入したIT活用者は自分にとって価値ある商品を選択し、十分な満足を得ることにつながる。一方、企業にとっては、顧客にITを通じて的確な情報を提供することが顧客の知識向上を通じて顧客満足の向上をもたらすことができる。ITの効果的な活用は、消費者、企業の双方にとってメリットをもたらすことになる。
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