―要約―

妻の死亡による経済的損失と死亡保障に関する考察

浅岡浩幸

世帯主の配偶者に万一のことがあった場合、遺族は経済的なダメージをうけるのであろうか。

妻に万一のことがあった場合に減少する支出と、新たに発生する支出、および世帯年収に与える影響を総合的に判断してみたところ、妻の死亡は家計を大きく圧迫することが判明した。有職の妻はもちろん、専業主婦に万一のことがあった場合においても、少なからぬ経済的損失が発生するのである。

次にこの経済的損失額をもとに、必要死亡保障額を仮定し、妻の既加入死亡保障額との比較を試みた。すると、多くのケースで既加入保障額は必要保障額を下回っていることがわかった。死亡保障の準備手段は生命保険に限られているわけではないので、この結果から「妻の死亡保障は不足している」とはいえない。しかし、妻の死亡保障準備においては、遺族が遺族年金を受取ることができるのはまれであることなど、夫の死亡保障準備との違いに留意する必要があろう。

また、今回明らかとなった妻の死亡による経済的損失は、男女共同参画社会の広まりとともに、さらに高くなると考えられるのである。

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