―要約―

インターネットがリスク性金融商品保有に与える影響

松尾 健司

インターネット普及による利便性の向上や情報化の進展により、従来型のチャネルでは提供できなかった機能やサービスを顧客に提供できるようになった。このことは、リスク性金融商品に対する意識を高め、保有に影響を与えているのではないかと考えられる。本稿では、インターネットがリスク性金融商品保有に与える影響について明らかにするとともに、インターネットでリスク性金融商品を購入するネット・トレーダーの特徴について考察した。

分析の結果、インターネット利用者は株式を保有する割合が高いことがわかった。また、インターネット利用後に株式の保有を開始した「ネット後保有者」は、インターネット利用前から株式を保有する層とは属性や売買行動、株式購入時に重視した特徴、株式保有理由が異なっていた。つまり、「インターネットの普及が株式保有に影響を与えた」ことが明示されたのである。このことは、今後のさらなるインターネットの普及や機能充実に伴い、証券投資人口が拡大する可能性を示唆している。

今後、ITの進展が個人の金融商品選択や金融機関のマーケティングを大きく変化させる可能性は高い。今後、インターネットにおける金融商品マーケティングの方向性を見出すためには、金融商品をインターネットで購入する人の情緒面・心理面の効用を把握することが重要となるであろう。

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