―要約―

金融商品選択における「情報」という存在―インターネット環境の出現がもたらすインパクト―

西久保浩二

金融商品は下記のとおり、他の商品には見られないほど「情報」と深くて強い関係性があり、それが今後さらに高まっていく、ということになろう。

  1. 金融商品のもつサービス財としての特性(無形性、信頼財)や、金融商品固有の特性(価値変動性、選択行動セット、貸借関係の発生、消費への転化性等)が消費者の選択過程に対して「情報」の関与を不可欠で、密接なものとしている。
  2. また、「情報」およびその「提供のあり方」が、既に消費者において商品品質の一部(情報快適性)として構成されていること。
  3. さらに、金融商品取引に本来的に存在する売り手−買い手間での大きな「情報の非対称性」が、大幅な規制緩和に伴って、消費者側の自己責任意識を高め、「評判」などの評価情報を求めた情報探索を促進させるだろう。

こうした金融商品選択と「情報」との関係性に対して、インターネットという新しい情報環境が次のような影響を与えることになるだろう。

  1. 双方向性、可視化(visualization)、セキュリティ能力などに優れたインターネット環境には金融商品選択との間に高い親和性がある。
  2. この親和性が、これまでの消費者の金融商品選択過程にあった困難さの多くを緩和するものと考えられる。かつ、このインターネットによる困難性の解消が上述した金融商品のサービス品質の向上に直結してゆくことになる。
  3. 金融商品と「情報」との親和性をいかに金融リテール・マーケティングにおいて実体化してゆくかが、今後予想される金融機関間での競争を左右すると考えられる。
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