―要約―

がん入院による医療費等の自己負担部分の将来市場推計

田島 亮浩

金融庁は昨年10月、第三分野商品の相互乗り入れに関する日程を発表した。本稿では、今後とくに商品市場の拡大が予想されるガン保険に着目し、がん入院による医療費等の自己負担分の市場規模を推計、それをもとにガン保険の収入保険料規模がどのくらいに拡大するのかを推計した。

がん患者が入院した場合、がん入院医療費に含まれているがん入院患者負担額の将来推計を行った上で、差額ベッド代、食事費引き上げ分の各将来推計を合計した“がん入院による医療費等の自己負担分”を試算してみたところ、2015年度で総計1,972億円の市場規模となった。これは、1998年度の1.9 倍に相当する規模である。この市場拡大率をもとに2015年度のガン保険の将来市場規模を求めてみたところ、収入保険料ベースで1兆2,802億円と予測され、1998年度以降に毎年約3.9%の市場拡大をすることが見込まれる。

本推計は、がん罹患数が増加する予測のみを前提としているため、今後の第三分野市場の解禁によって加入率の上昇が加われば、さらに市場規模が拡大すると思われる。実際には、入院周辺費用なども考慮する必要があるが、これらの費用を民間生命保険会社が補完する役割は今後もますます高まっていくと思われる。

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