平成9年4月24日 '97−2号 Press Release  

個人化・多様化が進む日本人の生活価値観〜「1996日本人の生活価値観」調査まとまる〜


1.現在の生活価値観と今後の動向
「たとえ他の人にどう思われようと、自分のセンスで物を選びたい」など、個人が主体的に判 断・行動しようとする生活価値観(「自分志向」)が台頭、今後も増加。逆に集団の一員としての責任と自覚を持つ生活価値観(「集団重視志向」)は今後減少へ。

2. 分野別にみる調査結果の特徴
(1)「家族」に関する考え方
伝統的な性別役割分業の考え方への支持者は3割弱。家族内での自己犠牲意識が薄れ、「家族のための自分」から「自分のための家族」へと考え方が変化。
性別役割分業意識の薄れ
家族への自己犠牲意識の弱まり
すべての年齢層で高まる「家族の死に備える」意識
(2)「人間関係」に関する考え方
「集団の和」を重視して自分の主張を抑えようとは思わない。一方、多くの人から孤立して でも自分の考え・主張を押し通したいという意識も弱まっている。自己主張しつつも集団から 離れたくないという、「つかず離れず」の関係を模索。
弱まる「思いやり」意識。中高年・若年層の意識格差が縮まる
全ての年齢層で弱まる「集団の和」尊重の意識
ほぼ全ての層で弱まる「孤立を恐れずに自己主張する」という意識
ほぼ全ての層で強まる「気の合った仲間に自分を分かってもらえればよい」という意識
(3)「生き方」に関する考え方
慣習にとらわれず、自分のセンスなど"自分らしさ"重視へ。努力や訓練を嫌い安直な生活 を望む考え方は、時代の変化にかかわらずあまり支持されていない。その一方で、高い目標に挑戦していきたいという考え方は大幅に弱まっている。
慣習にとらわれずに行動していきたいと考える人が増加
「自分のセンスで物を選ぶ」考え方が過半数
大幅に弱まる「高い目標への挑戦」志向
「努力や訓練が必要なことはできるだけ避けたい」という考え方は以前と同様支持されず
(4)「働き方」に関する考え方
「多少の困難を伴っても、自分が楽しいと思う仕事」を選びたいと考える。若年層ほど「自分 の能力が生かせなければ転職・転業も」と考え、会社や仕事よりは自分自身や家庭生活を重視。
3人に2人が「楽しいことを仕事としてやっていきたい」
10代〜30代で高まる転職志向
年齢が低いほど「家庭を犠牲にしてまで働きたくない」

3.生活満足度と生活上での諸々の意識
(1)「生活満足度」と日頃の生活における「不安」
生活満足度は低下し、「家族の病気や事故」を筆頭に、生活における不安意識が増大。
低下する生活満足度。「満足している」人は今回初めて7割を切る
最も不安なのは、「家族の病気や事故」
(2)「保障準備」「貯蓄」「消費」に関する意識
「月々や年間に一定の金額を決めて準備し、計画的に不測の事態や老後に備える」、「多少無理をしてでも堅実に貯蓄する」など、保障の準備や貯蓄に関しては地道型・堅実型が増加。一方、消費に関する意識は「個性よりも無難さ」、「品質より価格」を重視する割合が増加し、保守化の方向へ。
「地道に不測の事態や老後の保障を準備していきたい」という人が増加
余裕に応じて柔軟に貯蓄を考える人が増加
消費は「個性よりも無難さ」、「品質より価格」を重視する割合が増加し、保守化の方向へ
(3) 現在の日本社会に対する評価
「日本は良い社会」と思う人が急減して3割以下へ。「政治の腐敗」と「犯罪の増加」を問題とする人が最も多く、「風俗の乱れ」や「倫理観の薄れ」を嘆く人が大幅に増加。
日本社会への評価は大幅に低下し、良い社会と思う人は3割以下へ
日頃強く感じるのは「政治の腐敗」と「犯罪の増加」。大幅に増加したのは「風俗の乱れ」や「倫理感の薄れ」