平成14年4月18日 '02-1号 Press Release

「生活設計と金融・保険に関する調査 第2回」まとまる


 (財)生命保険文化センター(会長:宮澤健一)では、「生活設計と金融・保険に関する調査 第2回」をまとめました。
 
 わが国の医療制度は、国民の生命と健康を支えつづけ、世界最高の平均寿命や高水準の保健医療を実現してきました。しかし、急速な少子高齢化の進展、低迷する経済状況、医療技術の進歩、疾病構造の変化、生活者の健康に対する意識の変化など、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。
 このような様々な環境変化に伴い、生活者の健康・医療サービスに対するニーズは、多様化・高度化してきているものと考えられます。さらに、こうした変化を背景に医療保障準備に対するニーズや行動も変化していくものと予想されます。

 そこで本調査は、生活者の健康・医療サービスに対する意識や行動を捉えることにより、これらのサービスに対するニーズの実態を把握し、併せて医療制度や医療保障準備に対する意識や行動の実態を捉えています。

 
 [調査結果のポイント]
1.
現在の健康状態と健康・医療に対する不安

1.
現在の健康状態
(1) 現在の健康状態については、4人に1人が健康とはいえないと感じている。
(2) 入院、通院、鍼灸・整体等の経験についてみると、4人に1人が「現在通院中」。
(3) 日常生活で感じるストレスについては、男性は仕事、女性は普段の生活に関するストレスを強く感じている。

2.
健康・医療に対する不安
(1) 健康・病気については、「長期入院が必要な病気」「慢性的で治りにくい病気」に対して不安を感じている。
(2) 経済上、生活上では、「医療費負担」「公的医療保険適用外の自己負担」に9割が不安を感じている。
(3) 医療制度・治療技術については「医療制度変更に伴う医療費自己負担増」に最も不安を感じている。
(4) 不安の構造について主成分分析により集約してみると、健康や医療に関わる不安は以下の5つに集約された。
  ・ 長期疾病不安........罹患期間の長期化に対する不安
・ 難病疾病不安........難病や死に直結しやすい病気等に罹患することに対する不安
・ 医療費負担不安....自己負担費用が重くなることに対する不安
・ 生活家計不安........家族の生活や家計に負担がかかることに対する不安
・ 治療技術不安........治療の適切さに対する不安
(5) これら5つの不安因子と健康状態や属性との関連性について分析したところ、長期疾病不安は健康状態、過去の入院経験に関連がみられた。


2.
健康維持・疾病予防活動と医療に関する情報ニーズ

1.
健康維持・疾病予防のために日頃行っている活動
  現在の生活習慣を「健康的な生活習慣ではない」と回答した割合は4割弱となっている。その割合は、若年層ほど高くなる傾向にある。しかし、全体として健康への関心は高く、「睡眠や休養」「規則正しい生活」などを心掛けなくてはならないと9割以上が思っている。ただ、かならずしも実際の行動を伴っているとはいえない。

(1) 健康維持に重要な行動で最も高いのは、「睡眠や休養」で97.4%。
(2) 健康維持のための努力している行動で最も高いのは「栄養バランスや食事」で77.6%。
「定期健診受診層」は努力している行動割合が相対的に高い。
(3) 運動やスポーツを定期的に行っているのは約半数、散策や温泉浴などの心身のリフレッシュ活動を定期的に行っている割合は4割強。
(4) 現在の生活習慣については、若年齢層ほど「健康的な生活習慣ではない」と回答。
(5) 50〜60歳代は健康維持・増進活動のために時間や費用を惜しまない。

2.
健康・医療に関する情報ニーズ
  健康・医療情報への関心の高さがうかがわれる。病院や医師を選ぶ際に欲しい情報として、約8割の層が「医療従事者の患者に対する接し方」や「医療従事者の技術力」をあげている。さらに、治療技術に不安のある層はあらゆる情報を求める傾向にあり、中でも「提携先の医療機関」に関する情報を求めていることがわかった。


3.
受けたい医療サービスと多様化する健康・医療ニーズ

1.
受けたい医療サービスと追加費用負担許容意識
(1) 重視度と追加費用負担許容意識がともに高いサービスには、「完治させるための治療、検査、処置」「正確な診断、適切な処置」「十分な知識・技能を持つ医師による診断」といった治療行為そのものに関するサービスや「安全・衛生管理」のように医療機関として必須と思われるサービスが含まれる。
(2) 重視度は低いが追加費用負担許容意識が高いサービスには、「最新の医療技術・設備による治療」など先進的なサービスが含まれる。
(3) 重視度は高いが追加費用負担許容意識が低いサービスには、「症状、治療法等の説明」や「患者への接し方が誠実」など、医療従事者の態度に関するサービスが含まれる。
(4) 重視度と追加費用負担許容意識がともに低いサービスには、「予約診療ができる」など時間を無駄にしないサービスや「プライバシーの確保」などアメニティに関するサービスが含まれる。

2.
多様化する健康・医療ニーズ
(1) 重視度と追加費用負担許容意識の関係を性別にみると、男性は、「待ち時間が少ない」や「食事の質や時間を自由に選べる」といった時間が省けるサービスやアメニティに関するサービスについて追加費用負担を許容する傾向がみられる。
一方、女性では「患者への接し方が誠実」など医療従事者の態度に関するサービスについて追加費用負担を許容する割合が高い。
(2) 年齢別では、ほとんどのサービスで高年齢層ほど追加費用をかけてでも受けたいと感じているが、「症状、治療法等の説明」など情報提供サービスについては若年層ほど重視している。
(3) 本人年収別では、ほとんどのサービスで高収入層ほど追加費用をかけてでも受けたいと感じているが、「快適な環境提供」や「気軽に相談」など快適性や医師との意思疎通に関するサービスについては低収入層ほど重視している。


4.
医療保障準備の実態とニーズ

1.
医療保障準備の実態
(1) 医療関係保険・特約の加入状況についてみると、72.1%と7割以上の人が加入している。入院給付金日額、成人病入院特約等含む入院給付金日額、通院給付金日額、特定疾病等診断給付金額の平均は、それぞれ7.8千円、10.5千円、4.8千円、2,293千円となっている。
(2) 医療費の準備が「足りている」としているのは、23.3%で2割強にとどまり、充足度は低い。
(3) 重回帰分析により医療費用準備の充足度に影響を与える要因を分析すると、加入入院給付金日額が高いほど医療費準備に対する充足度が高くなっている。また、医療費負担不安、長期疾病不安、生活家計不安、難病疾病不安が高いほど医療費用準備に対する充足度が低くなっている。定期的に健康診断や人間ドックを受診している層で医療費用準備の充足度が低い。

2.
医療保障準備のニーズ
(1) 医療関係保険・特約の目的・使途をみると、「入院や手術費などの医療費の自己負担分」が78.4%と、「入院に伴って発生する諸費用」が62.1%、「入院することによって得られなくなる所得」が36.1%となっている。 
(2) 重回帰分析により、実際に加入している入院給付金日額に影響を与える要因を分析すると、収入が高い人ほど十分な医療保障準備を行っている。過去3年間の同居家族入院経験のある人も高くなっている。年齢では30歳代がやや高くなっている。
また、十分な医療準備を行っている人は、医療費負担不安が低くなっている。
(3) 必要と感じている入院給付金日額に影響を与える要因について分析すると、本人年収、国民健康保険加入者、男性、同居家族入院経験、30歳代、40歳代、非持家層で必要医療保障金額が高い。
意識面をみると、長期疾病不安や治療技術不安、高度な診察・診療利用意向が必要入院給付金日額を高める方向に働いている。
(4) 必要入院給付金日額と加入入院給付金日額のギャップについて分析すると、属性面では、国民健康保険加入者、男性、非持家層でギャップが大きい。
意識面でみると、高度な診療・治療利用意向、医療費負担不安、生活家計不安、治療技術不安が高い層でギャップが大きくなっている。

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<調査要領>
  調査地域 :首都圏30km圏
  調査対象 :満20〜69歳の男女個人
(調査会社登録パネルより首都圏の年齢別人口構成に応じて抽出)
  サンプル数 :1,002
  有効回収数 :892
  調査方法 :郵送法
  調査時期 :平成13年12月12日〜12月25日
  調査機関 :(株)インテージ
以上