平成13年10月25日 '01-6号 Press Release

「生活設計と金融・保険に関する調査 第1回」まとまる


 (財)生命保険文化センター(会長:宮澤健一)では、「生活設計と金融・保険に関する調査 第1回」をまとめました。
 
 わが国の一般的な勤労者にとって住宅の取得は、人生の中で最も高額な買い物であり、生活設計を大きく左右する一大イベントとなっています。また、実物資産を入手するという意味で、貯蓄・投資に代わる資産形成の手段としても人々に高く評価されてきたように思われます。しかし、1980年代後半以降の住宅価格の高騰と下落は、生活者の家計や生活、住宅取得に対する意識などに少なからぬ影響をもたらしたと思われます。

 そこで当調査では、住宅に関する意識や行動、家計や消費・投資に関する意識や行動を捉えることにより、生活設計における住宅取得の位置づけや住宅と消費・投資行動の関連性を明らかにしています。

 併せて、銀行・証券・保険などの金融業態が既存の業態の垣根を超えたグローバルな競争を激化させている中、人々の金融資産の保有状況や金融商品に対する選好を捉えることにより、金融資産選択の意識・行動を考察しています。また、人々が生活保障に対する自助努力と社会的支援についてどのような意識を持っているかについても明らかにしています。

 
 [今回の調査結果の主なポイント]
1.
生活設計における住宅取得の位置づけ

1.
住宅取得の意義・目的は「老後への備え」を強く意識
(1) これから住宅の取得を予定している層の3割強が「老後への備え」を取得目的としているように、住宅取得を老後対策として捉える姿がみてとれる。
(2) 所有に関する意識でも、3人に2人が「所有していれば老後も安心」と考えている。

2.
住宅取得の経済面での動機は「賃貸よりも得」が最も多く、「資産形成につながる」も一定の割合
(1) 経済面の動機では、「長い目で見れば賃貸より得」とするものが最も多く、長期的な経済合理性を重視している。
(2) また「住宅取得は資産形成につながる」とする考えも2割強と一定割合あり根強い。
(3) 直近購入層では近年の「低金利」と「税制優遇」が住宅取得を後押ししている。

3.
若年層を中心に見られる住居に関する意識の多様化
(1) 芽生えつつある積極的賃貸選択派
住宅を購入しない理由として、若年層を中心に「賃貸の方が住み替えが容易」、「いろいろな住宅に住んでみたい」を挙げるなど積極的に賃貸を選択する新しい居住意識がみられつつある。
(2) 多様化する住宅の志向性
住宅の志向性に関しても、4人に1人が「気に入った住宅に住むために費用を惜しまない」、住宅に対して最大限の費用をかけようとする意識を持つなど、住居に関する意識の多様化がみられる。

4.
「住宅関連支出」が消費・貯蓄・投資行動に大きな影響
(1) 衝動的な消費を控える持家自己所有層
持家自己所有層で「気に入れば価格を気にせず購入」する割合が低いなど、住宅ローン等の固定支出があるため衝動的な消費を控える意識が強まったと推察される。
(2) 6割超の賃貸・社宅層が日常生活費を節約
賃貸・社宅層では将来の住宅取得に向けて、日頃から節約に心がけているためと考えられる。
(3) 「住宅関連支出負担感」が節約行動を誘発
住宅関連支出負担感が高い層ほど節約行動をとっている。ローン返済額や家賃等の金額の大小よりも、心理的側面が節約行動に直結している。
(4) 「住宅関連支出負担感」の高さが投資意欲を減退
住宅関連支出負担感が高い人は、日常の生活費を切り詰めていくことに精一杯で、心理的に投資を行える余裕がないため、投資的商品の購入意向を弱めていると考えられる。

5.
バブル期前後購入者を中心に影響が大きい住宅の「含み損」
(1) 住宅取得者のうち7割弱が含み損あり
住宅価格と自己評価による実勢価格の差を含み損益とすると、持家を所有する約7割が含み損となっている。含み損は平均150万円。
(2) 平均590万円の含み損を抱えるバブル期前後購入者
1990年以降に取得した層では▲590万円と大幅な含み損を抱えている。
(3) 含み損ありの層で高い居住経費の負担感
含み損のある層では居住経費を「負担に感じる」割合が6割超と高い。
(4) 住宅に関する満足度の低い含み損ありの層
含み損のある層は、ない層に比べて住宅に関する満足度が低い傾向にある。
(5) 消費に消極的な含み損ありの層
含み損のある層は「安くなるまで購入を手控える」や「趣味・レジャー・旅行を節約」する割合が高く含み損を抱えることが消費態度にも影響を与えている。
(6) 貯蓄・投資に保障性を重視する含み損ありの層
含み損のある層は「積立型保険の新規加入」が含み損のない層に比べて高く、 貯蓄と同時に保障性を重視する傾向がある。

6.
その他の特徴
(1) 3人に2人が一戸建て志向
(2) 「周辺環境」が住宅総合満足度に最も強い影響
(3) 既取得者の3割弱が住宅再取得意向あり

2.
金融資産選択行動と生活保障意識

1.
保有金融資産額は平均1001.3万円。構成比では預貯金が69.0%と7割近くを占め、依然として安全性志向が強いポートフォリオといえる。

2.
金融商品購入時に重視する機能などは性別により大きく異なる。
(1) 金融商品の機能として、女性は元利の保証性や保障(保険)機能を重視する。
(2) 購入前の情報収集では、女性は「手数料・払込金額」を重視する。
(3) 金融商品・金融機関を選択する際に最も重視するのは、「経営が健全であること」。性別にみると、男性は「金融商品の分散投資」、女性は「なじみのある金融商品・金融機関」を重視する。

3.
生活での最大の不安は、世帯収入の減少・伸び悩みであり、国に「税制面の優遇」支援策を期待している。
(1) 国に望む自助努力支援策では、6割超が「税制面の優遇」を挙げている。
(2) 生命保険料控除を知っていたのは、81.3%、適用経験ありは80.1%となっている。生命保険料控除を「拡充してほしい」は72.3%、「存続してほしい」は22.3%となっている。
(3) 仮に生命保険料控除が廃止・縮小された場合の家計への影響を尋ねたところ、「家計の支出を抑えると思う」が41.3%に達する。一方、「家計に影響はないと思う」は27.1%にとどまっている。

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<調査要領>
  調査地域 :首都圏30km圏
  調査対象 :満20〜59歳の男女個人
(調査会社登録パネルより首都圏の年齢別人口構成に応じて抽出)
  サンプル数 :1,000
  有効回収数 :831
  調査方法 :郵送法
  調査時期 :平成13年6月14日〜6月26日
  調査機関 :(株)インテージ