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平成13年4月19日 '01-1号 Press Release

「ワークスタイルの多様化と生活設計に関する調査」まとまる
-調査結果の概要(プレスリリース資料)-


1.就労意識が多様化するなか、就労価値観は4つの志向に集約される
(1)多様化する就労意識
1.薄れる伝統的な就労意識
「出世や昇進のためにはつらいことでも我慢したい」、「どんな仕事でも上司の命令は断れない」、「同じ会社で一生働きたい」など、会社や仕事に軸足を置いた就労意識に対し、「そう思う」と回答した割合は2割程度と低く、「そう思わない」と回答する割合が半数近くに達している。
2.過半数を占める生活重視志向
「仕事のために家庭生活が犠牲になることはやむを得ない」、「自分から仕事をとったら何も残らない」といった家族や自分より仕事や会社を重視した考え方に対しては、過半数が否定的に捉えており、家族や自分の生活を重視する意識が高まりを見せている。
3.浸透する我慢や苦労からの逃避志向
「働かなくても暮らせるのならば、定職に就きたくない」、「楽をして多くのお金を稼ぐことに抵抗感はない」という考え方に対しては3割が肯定的に捉えている。
4.高まる専門性志向
「自分の専門的知識・技能の発揮できる仕事をしたい」、「専門的な職業能力を高めたい」といった専門能力の向上を目指そうとする就労者の割合は7割を超えている。

 このように、出世や昇進を目標とし家庭生活を犠牲にして会社と仕事に打ち込もうという意識は薄れ、家族や自分の生活を重視した働き方、我慢や苦労を避け定職にこだわらない働き方、専門性を発揮できる働き方を志向する就労者が現れ始めている。就労意識は多様な様相を見せ始めている。

図表1 就労意識
(全体結果N:1,035)


(2)4つの志向に集約される就労価値観と変化の方向性
 16項目からなる就労意識質問に対する回答をもとに、因子分析により就労価値観の抽出を試みた。分析の結果、4つの志向が抽出された。
 抽出された4つの志向の特徴を示すと次のようになる(図表2)。
図表2 抽出された4つの志向とその特徴
4つの志向
特     徴
伝統的
就労
価値観
「会社中心志向」 終身雇用を支持し、出世・昇進を目標とし、そのためには家庭生活の犠牲もやむを得ないという、男性就労者が支持する伝統的な志向。
新しい
就労
価値観
「専門生きがい志向」 専門性を高めた上でやりたい仕事に就くことを目標とする志向。"社会的評価は低くても自分のやりたい仕事をしたい"、"専門的知識・技能の発揮できる仕事をしたい"という考え方を支持している。
「快楽優先志向」 仕事はお金を稼ぐ手段に過ぎず、できれば楽をして多くのお金を稼ぎたい。そして働かなくても済むのならあえて定職に就こうとは考えない志向。家庭(個人)生活の犠牲や、我慢、苦労を拒み、"働かなくても暮らせるならば、定職に就きたくない"、"仕事は単にお金を稼ぐ手段に過ぎない"という考え方を支持する。
「能力至上志向」 能力主義を重視し、能力による処遇の差別化を支持する。また能力向上による転職・独立意向を持つ志向。能力主義・業績主義に対し前向きに捉え、チャンスをみて転職・独立を繰り返したいという就労価値観が基底にある。

 新しい就労価値観のうち、「専門生きがい志向」は独立系自営業であるSOHOや、職業能力向上を目指す自己啓発者で支持されている。「快楽優先志向」はフリーターや派遣といった非正規雇用者で支持されている。「能力至上志向」は、成果主義賃金制度下にある変動給ワーカーや、転職を繰り返すキャリアサーファーで支持されている。
 このように新しい就労価値観は、SOHO、フリーター、キャリアサーファーなど新しいワークスタイルを取る就労者で多く支持されている。今後ワークスタイルが一層多様化することによって、これまでの就労者の典型とみなされてきた「会社中心志向」という就労価値観から脱した、「専門生きがい志向」、「快楽優先志向」、「能力至上志向」という新しい就労価値観が浸透していくと推察される(図表3)。

図表3 就労価値観の変化の方向性



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