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平成14年3月20日 '01-12号 Press Release

「第5回・生活者の価値観に関する調査」まとまる
― 一段と強まった個人化と多様化 ―


1.生活者の価値意識
 生活者のものごとの考え方に関する価値意識として、「生き方」、「働き方」、「家族」、「社会」の4つの分野に注目し分析した結果、次のような特徴と傾向が明らかになった。

1.「生き方」に関する価値意識
1. 習慣にとらわれる考え方の衰退
「何かをするときは、これまでの慣習にとらわれずに決めたい」という考え方や「重要なことは自分で決めたい」という考え方は、性・年齢を問わず一貫して増加しており、肯定する割合が過半数に達している。
2. 若年層を中心にみられる自己中心・努力回避の傾向
次のような考え方について、全体的には大きな変化がみられない中で、10〜20代で変化の傾向がみられた。
<増加傾向がみられる考え方>
「たとえ他人に迷惑をかけるようなことがあっても、権利は権利として主張していきたい」
「責任を伴うことはできるだけ避けたい」
「努力や訓練が必要なことは、あまりやりたくない」
「将来の生活をいろいろと考えるより、現在の生活を大切にしたい」
<減少傾向がみられる考え方>
「他の人が思いつかないような独創的なアイディアを生み出すように努力したい」
「できるだけ高い目標をたてて、それに挑戦していきたい」
3. 同じ年代層の中でも考え方の多様性が広がる
10代で、「どんなに苦労をしても、自分の夢は実現させたい」という積極的な考え方が増加しており、若年層における努力回避の傾向とは異なった傾向もみられる。
60代で、「他の人が思いつかないような独創的なアイディアを生み出すように努力したい」、「どんなに苦労をしても、自分の夢は実現させたい」、「できるだけ高い目標をたてて、それに挑戦していきたい」というアクティブな考え方が増加傾向をみせている。
その一方で、「重要なことは、結果がどうなろうとも、人に頼らず自分で考えて決めたい」という主体的な考え方が減少する傾向もみられる。

2.「働き方」に関する価値意識
1. 仕事に楽しみややりがいを重視する傾向が着実に増加
「多少の困難をともなっても、自分が楽しいと思うことを仕事としてやっていきたい」という考え方が着実に増加し、性・年齢を問わず肯定する割合が7割前後に達している。
一方、「仕事は単に金をかせぐ手段にすぎない」という考え方は減少傾向にあり、全ての年齢層で肯定する割合が2割未満にとどまっている。
2. 能力主義的な考え方も増加
「自分の能力を生かすためには転職や転業も考えたい」、「能力の違う者を同じように扱うことはかえって不平等だ」という考え方が急増し、それぞれ肯定する割合が約半数に達している。
3. 働き方に関する考え方の年代間較差が縮小
若年層で肯定する割合の高い「自分の能力を生かすためには転職や転業も考えたい」という考え方が、30代以上の中高年層でも顕著に増加、40代以上で肯定する割合の高い「能力の違う者を同じように扱うことはかえって不平等だ」という考え方が10〜30代でも顕著に増加するなど、年代間較差が縮小の傾向をみせている。

3.「家族」に関する価値意識
1. 家族に対する責任意識は依然として高い
「家族のためには、自分の死後のことも十分考えておきたい」「家族の者が死亡した場合の生活のことも、きちんと考えておきたい」という考え方は若干の減少傾向がみられるものの約7割が肯定しており、家族への責任意識は高い。
2. 家族の個々の立場を尊重する傾向が強まっている
「自分を犠牲にしてでも家族のためならつくしたい」「家族の者に多少負担になっても、自分の納得のいく生き方をしたい」という考え方は減少傾向にある。
 家族のために犠牲になってもよいという意識が低下し、また、家族に負担をかけまいとする意識が強まっている。
3. 性別役割分業意識は大きく後退
「男は男らしく、女は女らしく育てたい」「女性は結婚したら家庭を守ることに専念するのがよい」という考え方は減少しており、性別役割分業意識は大きく後退している。
  4. 結婚観は伝統的な考え方が依然支配的
  「夫婦お互いの同意があれば、入籍しなくてもよい」「結婚しないで子どもを産んでもかまわない」「結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」という考え方を肯定する割合は若干増加傾向がみられるものの1〜2割台と少なく、依然として伝統的な結婚観が多数を占めている。

4.「社会」に関する価値意識
1. 社会に貢献したいとする意識はあるが、実行しようとする意識は低下傾向
「社会の一員として何か社会のために貢献したい」という考え方は7割程度が肯定し、大きな変化はみられない。一方、「住み良い地域づくりのために、自ら積極的に活動していきたい」「困っている人が近くにいたら放っておけない」「隣り近所とのつきあいを積極的に行いたい」という考え方は減少傾向にあり、実行しようとする意識は低下している。
2. 自己主張しようとする意識の顕著な高まり
「自分の考えを主張するより、他の人との和を尊重したい」「どのようなときでも相手の個性を尊重していきたい」という考え方が減少し、一方、「多くの人から孤立してでも自分の正しいと思う考えを主張したい」という考え方は増加傾向がみられる。集団の和を重視するよりも、自己主張しようとする意識が顕著に高まっている。
3. 同調できる限定的な仲間のみを重視する傾向が若年層で増加
「同じ趣味や考え方を持つ人とのつきあいを積極的に広げていきたい」という考え方を肯定する割合は全体で7割、10代では8割を超えている。
また、「多くの人から理解されなくても、気の合った仲間さえわかってくれればよい」「自分にとってプラスとなる人とだけつきあいたい」という考え方が若年層で増加してきている。


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