平成13年4月19日 '01-1号 Press Release

「ワークスタイルの多様化と生活設計に関する調査」まとまる


 (財)生命保険文化センター(会長・加藤一郎)では、「ワークスタイルの多様化と生活設計に関する調査」をまとめました。
 長引く景気低迷や少子高齢化の進展など様々な不確実性が高まる中、人々は将来に対する不安を高めています。一方、インターネットの急速な普及にみられるIT革命の進展、あらゆる分野でのグローバル化の急速な進展など、人々の生活や企業をめぐる社会経済環境はかつてないほどのスピードで変化しています。
 また、これら社会経済環境の変化に伴い、企業は、「終身雇用」「年功序列」に代表されるような日本的雇用慣行の見直しを行うなど、これまでの日本企業を支えてきた制度や枠組みを大きく転換させつつあります。
 一方、就労者にも生活価値観の多様化などに伴い、自らが望むライフスタイルを実現するために多様なワークスタイルを選択する動きがみられます。

 当調査は、企業の変化と働く側の意識変化が相まってワークスタイルが多様化しつつある現状を把握するとともに、こうしたワークスタイルの多様化が家族や家計、そして生活設計に及ぼすであろう影響について考察することを目的としています。

 

 [今回の調査結果の主なポイント]
1.
就労意識が多様化するなか、就労価値観は4つの志向に集約される
 
(1)
会社や仕事に軸足を置く伝統的な就労意識は薄れ、家族や自分の生活を重視する意識が高まりを見せるなど就労意識は多様化している
 
(2)
伝統的な就労価値観である「会社中心志向」から脱した「専門生きがい志向」「快楽優先志向」「能力至上志向」という新しい就労価値観が浸透していく

2.
ワークスタイルが多様化している現状は
 
(1)
出勤日や時間帯が変則的な勤務や交代勤務など勤務形態は多様化している
 
(2)
転職、転業・独立の経験は50.5%と、2人に1人は転職する時代になった
 
(3)
自己啓発は、経験者の割合が約4割に達するなど一般化しつつある

3.
ワークスタイル多様化の今後の方向性は
 
(1)
転職を志向する割合は約4割に及び、さらにワークスタイルの多様化を促進する
 
(2)
「能力格差型」「業績格差型」賃金制度は今後さらに広まる―正規雇用―
 
(3)
フレックスタイムや裁量労働制など勤務形態に柔軟性が望まれる―同上―

4.
ワークスタイルの多様化は社会にどのような変容をもたらすか
 
(1)
成果・能力主義制度等の浸透が転職志向を高め、人材の流動化を促進する
 
(2)
自己啓発の活発化に伴い転職・独立型ワークスタイルが増大する
 
(3)
収入が少なく不安定なフリーターが親の経済基盤を侵食する

5.
ワークスタイルの多様化が生活設計に与える影響は
 
(1)
収入や雇用の不安定性が新たな生活不安を増大させる可能性が高まる
 
(2)
成果主義賃金制度の浸透に伴い、将来の資金準備計画が困難になる
 
(3)
非正規雇用等の増加が、老後保障を弱体化させるのではないか
 
(4)
就業設計や職業能力設計を重視する生活設計がより重要になる
 
(5)
生活保障基盤が希薄なSOHOは、自助努力による生活防衛行動に走る


−調査要領−
(1)一般就労者
  1.調査地域 東京40Km圏、名古屋20Km圏、大阪20Km圏
  2.調査対象 18歳〜59歳の就労者男女個人
  3.抽出方法・回収サンプル数 エリアサンプリング・1,035サンプル
  4.調査方法 調査員による訪問留め置き調査(ランダムウォーク)
  5.調査期間 平成12年9月5日(火)〜9月19日(火)
  6.調査機関 (株)社会調査研究所
(2)特定就労者
  1.調査対象(抽出条件)
  A:フリーター 18歳〜39歳で未婚の「パート・アルバイト」
  B:派遣 現職もしくは過去3年以内経験の男女個人
  C:キャリアサーファー 学歴が大卒以上で転職経験1回以上の男女個人
  D:SOHO 「過去5年以内に独立開業した事業主(家業継承はのぞく)」
「自宅やマンションなどを借りて仕事場にしている」「パソコンやインターネットなどを使って仕事をしている」「企業から専門的な仕事を依頼されて出向く」のいずれかに当てはまる男女個人
  2.抽出方法 (株)社会調査研究所「アドホックモニター」を対象としたスクリーニング調査を実施し、上記条件適合サンプルから無作為抽出
  3.サンプル数と回収数
 
 
抽出サンプル数
回収数
A:フリーター
380サンプル
270サンプル
B:派遣
375サンプル
262サンプル
C:キャリアサーファー
375サンプル
294サンプル
D:SOHO
352サンプル
254サンプル
  4.調査方法 郵送調査(郵送配布〜郵送回収)
  5.調査期間 平成12年9月14日(木)〜9月25日(月)
  6.調査機関 (株)社会調査研究所

なお、一般就労者調査および特定就労者調査から、次のワークスタイルを切り口として分析した

当調査で用いたワークスタイル一覧