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平成11年4月15日 '99-1号 Press Release

「老後生活のリスク認識に関する調査」まとまる
−調査結果の概要−


2.老後リスク認識の規定要因

(1)個人の属性による分析
 3つの老後リスク類型について、性、年齢、未既婚、子どもの有無、住居形態・住宅ローンの有無、世帯年収、世帯金融資産、健康状態、相続経験、7つのタイプのパーソナリティ※など、個人の主要属性との関係を分析した。
 分析の結果は下表の通りとなっている。

個人の主要属性による規定要因のまとめ

人間関係リスク

費用リスク

健康・能力低下リスク

属性別特徴

性別   男性で高い 女性で高い
年齢別   若年齢層ほど高い  
未既婚別 未婚で高い   既婚で高い
子どもの有無別 子どもなしで高い   子どもありで高い
持家の有無別   持家なしで高い  
住宅ローンの有無別   住宅ローンありで高い  
世帯年収別 年収500万円未満層で高い 年収500〜1,000万円未満層で高い 年収1,000〜2,000万円未満層で高い
世帯金融資産別   金融資産が少ないほど高い  
健康状態別 健康状態が悪いほど高い   健康状態が悪いほど高い
相続経験の有無別   相続経験なしで高い  
パーソナリティ別 ・社交性が弱いほど高い    
・指導性が弱いほど高い ・指導性が弱いほど高い  
・活動性が弱いほど高い    
・感受性が強いほど高い ・感受性が強いほど高い ・感受性が強いほど高い
  ・情緒不安定性が強いほど高い ・情緒不安定性が強いほど高い
・抑うつ性が強いほど高い ・抑うつ性が強いほど高い ・抑うつ性が強いほど高い

7つの パーソナリティの内容は、それぞれ以下の通り

社交性……

外向的・社交的か

指導性……

リーダーシップをとるか

楽観性……

小さなことは気にしない、楽観的か

活動性……

活動的・快活か

感受性……

感受性が鋭い・神経質か

情緒不安定性……

感情的か・気分が変わりやすいか

抑うつ性……

悲観的に考える傾向があるか

さらに、統計的な分析(重回帰分析)を行ない、リスクを感じさせる複数の要因の中で決め手となっているものは何かをみると、下図の通りである。

・「人間関係リスク」を規定する属性の中で、最も規定力が高いのは、「抑うつ性」である。以下、規定力の高さの順に、「指導性」、「未既婚」と続いている。
心理的に抑うつ性が強く、指導性が弱い人ほど人間関係リスクを感じやすく、年齢が高くなるほど、この傾向が強まることから、現在人間関係リスクを感じていなくても、抑うつ性が強く、指導性が弱い傾向がある人の場合、将来的に人間関係リスクを感じやすくなる可能性がある。

・「費用リスク」を規定する属性の中で、最も規定力が高いのは、「世帯金融資産」である。以下、規定力の高さの順に、「年齢」、「世帯年収」と続いている。

若年齢層ほど費用リスクを感じやすい傾向があり、老後に向けて準備をしていく世代にとって、費用リスクを軽減することが重要な課題として位置づけられていることがわかる。

・「健康・能力低下リスク」を規定する属性の中で、最も規定力が高いのは、「感受性」である。自らの身体能力・健康状態などの変化を敏感に察知し、反応を示しているものと考えられる。

以下、規定力の高さの順に「子どもの有無」、「健康状態」と続いている。


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