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出産・育児

出産や育児への公的な経済支援を知りたい

出産から養育まで様々な支援制度

国や自治体、公的医療保険などの社会保険では、出産・育児のための様々な助成や手当を設けています。主なものは以下のとおりです。

(2023年10月更新)
妊婦検診などの助成

妊婦検診の14回分については各自治体から助成があります。助成額は自治体により異なりますので、詳細は住んでいる市区町村の窓口などで確認しましょう。
出産後、公的医療保険による子どもの医療費の自己負担割合は小学校入学前は2割、小学生以上は3割ですが、各自治体からの補助があります(補助は自治体により異なります)。

2023(令和5)年4月以降、非課税世帯など低所得世帯を対象に妊娠判定のための初診費用について、各自治体から助成があります(上限1万円)。

出産・子育て応援事業
(国の出産・子育て応援給付金、実施主体は市区町村)

子育て関連用品等に使用できるクーポン券など妊娠届出時に5万円相当、出生届出時に5万円相当が支給される事業です。
2023(令和5)年1月からスタートした事業ですが、対象になるのは2022(令和4)年4月以降に出産したすべての人です。

出産育児一時金
(家族出産育児一時金)

正常分娩の場合の費用は公的医療保険の対象にはなりませんが、妊娠4カ月目(85日)以上の出産(死産・流産等を含む)については、公的医療保険から出産育児一時金または家族出産育児一時金が支給されます。

出産育児一時金の支払は、分娩機関の規模によって、請求と受取を妊婦等に代わって医療機関等が行う「直接支払制度」をとっているところと、妊婦が出産する医療機関等にその受取を委任する「受取代理制度」をとっているところがあります。直接支払制度や受取代理制度を利用するか、加入している健康保険組合などへ直接請求して支給を受けるかは、妊婦の側で選択できます。

支給額

1児につき、産科医療補償制度加入分娩機関で出産した場合は50万円(在胎週数第22週以降のものに限る)、それ以外の場合は48.8万円です(2023(令和5)年3月以前の出産については、50万円は42万円、48.8万円は40.8万円です)。
健康保険組合のある会社に勤めていると、さらに組合独自の付加金がプラスされる場合もあります。

出産手当金

健康保険(国民健康保険は除く)の被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないときは、出産手当金が支給されます。

支給額

月給日額の3分の2相当額、支給期間は出産日以前42日(双子以上の場合98日)、出産日後56日です。報酬がある場合でも、3分の2未満の場合は報酬との差額が支給されます。

育児休業給付金

育児休業給付は、雇用保険の被保険者が原則1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した場合に支給されます。パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合は、父と母2人分合わせて原則1歳2カ月になるまで支給されます。なお、保育所などに入所できないなど一定の場合には最長2歳になるまで支給されます。

支給額

育休を開始してから180日目※までは休業開始前賃金の67%が、181日目以降は50%が支給されます。支給額には上限額と下限額があります。
なお、賃金があるときは〔賃金+給付金〕で休業開始前賃金の80%を超えた分が減額されます。

80%以上の賃金が支払われる場合は給付金は支給されません。

※出生時育児休業給付金(下記)が支給された日数は、育児休業給付の給付率67%の上限日数である180日に通算されます。

(イメージ図)

パパママ育休

※1 母親の産後休業(出産日の翌日から8週間)は育児休業給付金の支給対象となる育児休業の期間に含まれません。
※2 母親とともに父親も休業する場合(「パパ・ママ育休プラス制度」利用時)、後から育児休業を開始する方は子どもが1歳2ヵ月に達する日の前日までの育児休業に対して、最大1年まで支給されます。

出生時育児休業給付金
(2022(令和4)年10月~)

出生時育児休業給付金は、子どもの出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、その子どもを養育するための産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合に支給されます。産後パパ育休(出生時育児休業)は2回まで分割取得が可能です。

支給額

育児休業給付金(上記)と同じです。

健康保険・厚生年金保険の保険料免除など産休・育休等を取得した際の特例

産休中及び育休等の期間中は健康保険や厚生年金保険の保険料が免除され、免除期間中の保険料は納めたものとして取り扱われます。産後パパ育休(出生時育児休業)の期間も免除対象になります。

育児休業・出生時育児休業中の保険料免除基準
 月給:月末時点での育休取得者または月内14日以上の育休取得者
 賞与:1カ月超の育休取得者

 休業後、職場復帰した際に時間短縮勤務などで報酬が低下した場合、3歳未満の子どもを養育していることなど所定の要件を満たせば被保険者の申し出により休業前の高い標準報酬月額で厚生年金の年金額が計算されます。

納める保険料は下がった報酬に応じた低い負担額となります。

  • 産休や育休等の取得の有無にかかわらず、3歳未満の子どもを養育していれば、養育前より標準報酬月額が下がった場合、被保険者が申し出ることによって養育前の高い標準報酬月額により年金額が計算されます。共働きの場合、夫婦それぞれが申し出ることもできます。
国民年金の産前産後期間の保険料免除

出産予定日または出産日の前月から4カ月間(双子以上の場合は出産予定日または出産日の3カ月前から6カ月間)について、国民年金保険料が免除されます。
・出産とは妊娠85日(4カ月)以上の出産(死産・流産等を含む)をいいます。

対象者は国民年金の第1号被保険者(出産した本人)で、所得制限はありません。
免除の届出は出産予定日の6カ月前から可能です(出産後でも届出可能)。
産前産後の免除期間は保険料を納付したものとして、老齢基礎年金の受給額に反映されます。

国民健康保険の産前産後期間の保険料免除
(2024(令和6)年1月~)

出産予定日または出産日の前月から4カ月間(双子以上の場合は出産予定日または出産日の3カ月前から6カ月間)について、国民健康保険の所得割保険料・均等割保険料が免除されます。
・出産とは妊娠85日(4カ月)以上の出産(死産・流産等を含む)をいいます。

対象者は出産する本人で、世帯の所得制限はありません。ただし、保険料の賦課限度額に達している世帯が免除対象となった場合、免除額を引いても保険料が限度額を上回ると、実質的には免除を受けられないケースがあります。

出産前に届け出た場合は「出産予定月」が、出産後に届け出た場合は「出産月」が免除の起算月となります。(出産前に届け出た場合、実際の出産月が出産予定月と異なっても届出時点の「出産予定月」が基準になります。)

  • 2023(令和5)年11月の出産から免除対象となります(届出は施行日以降に限られます)。
    2023(令和5)年11月出産の場合、施行日以降の1カ月間(2024(令和6)年1月)の保険料が免除されます。
国民健康保険の未就学児の均等割保険料の軽減措置

世帯の被保険者数に応じて賦課される均等割保険料のうち、未就学児分の保険料が5割軽減されます。世帯の所得制限はありません。

児童手当

児童手当は、0歳から中学3年生までの子ども(15歳に到達後、最初の3月31日まで)を養育している人に支給される手当です。

支給額(子ども1人あたり)
3歳未満 月額15,000円
3歳~小学校終了前 第1子・第2子:月額10,000円
第3子以降  :月額15,000円
 中学生  月額10,000円

・第3子以降とは、高校卒業(18歳到達年度の末日)までの養育している児童の中で3番目以降をいいます。
・所得制限額以上の人には、当分の間の特例給付として、子ども1人につき月額5,000円が支給されます。

  • 所得制限額は年収960万円以上(子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合)。
    2022(令和4)年10月支給分以降、年収1,200万円以上(子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合)の世帯は、特例給付が廃止となりました。
児童扶養手当 父母の離婚などで「ひとり親家庭」になった場合に支給される手当です。対象となる子どもは18歳に到達後、最初の3月31日までの子どもです。

遺族年金など公的年金を受け取っている場合は支給されません。 ただし、公的年金の年金額が児童扶養手当額より低額の場合は、その差額分の児童扶養手当を受け取ることができます。
ひとり親で障害者の方は、児童扶養手当の額が子の加算部分の額を上回る場合、その差額分の児童扶養手当を受け取ることができます。

なお、両親がいても父または母が一定の障害状態にあるときは、支給される場合があります。

受給にあたっては所得制限があり、受給額は子どもの数や受給資格者の所得等により異なります。詳細は住んでいる市区町村にお問い合わせください。

産休、育休について