今は仕事がいちばん!妥協することなくいろんなことに挑戦していきたい
クラブのママ、極道の女、旅館の女将さん・・・。優れた人物描写で様々なキャラになりきる「ひとりコント」が人気のピン芸人、友近さん。最近では、なだぎ武さん(ザ・プラン9)とのアメリカ人・カップルに扮したユニット“ディラン&キャサリン”が大ウケ。またテレビドラマや映画にも出演するなど、独特の存在感で活躍の幅を広げている。そんな友近さんに、お笑い芸人を志したきっかけや芸へのこだわり、これからの夢や目標などについてたっぷりとお聞きした。
お笑い芸人 友近さん
「元気な地元のお姉さんでは終わりたくない」と大阪へ!
お笑い芸人 友近さん  小さいころから「お笑い」が大好きで、姉と一緒に台本のないアドリブ芝居をしたり、モノマネをしたりして楽しんでいました。なんとなくですけれど、「いずれ自分は芸人になるやろな」と考えるようになったのは小学生のころです。ちょうど漫才ブームの真っ只中で、お笑いのテレビ番組を見ては「あー、私も同じようなことをやってるわ」と思っていました(笑)。いわゆる憧れとはちょっと違いますね。自分がおもしろいと感じる芸人さんたちに、「こんな田舎にも、こんなおもしろい子がいるんだよ」ということを知ってもらいたい。そんな気持ちだったんです。
  ただ、実際に気持ちを伝えることなんてできるわけがありませんし、そもそもお笑いの世界に入るための方法だってわからない。そのうちに、歌うことが大好きだったこともあって歌のオーディションやのど自慢大会にチャレンジするようになったんです。大学3年生のときには、愛媛県代表として「長崎歌謡祭」というイベントにも出場しました。このとき、歌謡祭の様子を地元・愛媛のテレビ局が中継していて、それがきっかけで同局の番組レポーターのアルバイトをするようになったんです。
  大学を卒業したあとは旅館の仲居をしていましたが、そのうちに「またレポーターをやらないか」とテレビ局の方に声をかけていただいたんです。ずいぶん迷いましたが、自分が面白いと感じたことを少しでも視聴者に伝えられればと思って引き受けました。ただ、本格的にやってみると、やっぱりレポーターはレポーターでしかない。自分のやりたいことができるわけじゃないんですよね。面白いことを言っても編集でカットされてしまうことが多かったですし。このままだと「元気な地元のお姉さん」で終わってしまう・・・。そう思って、3年くらいでレポーターの仕事は辞めました。
  それじゃあ、どうするか。私にはやっぱり「お笑い」しかないなと。それで、吉本芸能総合学院(NSC)に入ることを決めたんです。それしか方法が思いつかなかっただけなんですけどね(笑)。
妥協できない性格なのでコンビを組んでいたら失敗していたかも・・・
 家族の反対はまったくといっていいほどなかったです。姉はもちろん、両親も大賛成してくれました。私の母は手相をみることができるんですよ。ぜんぜんプロとかではないんですけれど、母がプロの方に手相を見てもらったときに「同業者はお断り」って言われたことがあるほどで、実際によく当たるんです。その母が「あんたは芸能界に向いている。絶対に成功する」と言ってくれたこともあって、私自身、不安はまったくありませんでした。
  実は、NSCに入った当初は誰かとコンビを組むのもアリかなと考えていたんです。私はボケなので、ほかの人たちがネタを披露するのを見てツッコミの人を探しましたが、なかなか自分に合う人がいなくて。やっぱり、「コンビを組むなら姉やな」ってあらためて思いました(笑)。とにかく価値観が合うんですよ、姉とは。でも、姉にその気はない。だったら、ひとりでやるしかないなと。たぶん、それで良かったんだと思います。私はとにかく妥協するのが嫌で、例えば相方に「このネタはダメだ」と言われても、自分がウケると思ったら絶対に譲らない。そういう頑固な性格なので、妥協して誰かとコンビを組んでもきっとうまくいかなかったと思うんです。
お笑い芸人 友近さん
  一方で、芸人としてやっていく自信はありました。というか、自分が子どものころからテレビで観て、「この人は自分と同じ感覚を持っている」と感じていた芸人さんたちにネタを見てもらえれば絶対にウケる。その確信だけは持っていました。ですから、まずは自分の存在を知ってもらうこと。つまり、人の目にふれるところで面白いネタを披露することが重要だったんです。運がいいことに、その機会はすぐにきました。NSC受講生がネタを披露する中間発表会で、私のネタを見た先輩芸人の方が気に入ってくださって、ちょっとずつテレビにも出してもらえるようになったんです。
デートでストレス発散!彼と一緒にいるだけで安らぎます
お笑い芸人 友近さん  現在、テレビのレギュラー番組は関東・関西合わせて6本ですね。ほかにラジオ番組のレギュラーもありますし、映画やドラマにも出演させてもらったり、おかげさまで忙しくさせていただいてます。そのぶん、集中してネタを考える時間がなかなかとれないので、最近は見たもの聞いたものをすぐにモノマネして身体に覚え込ませるというやり方をするようになりました。ネタ帳に書き込むこともないですね。ただ、昔のネタ帳を開くことはあります。完成されたネタだけじゃなくて、その当時気になったことがたくさん書いてあるので、それが今になって役立つことも少なくありません。
  もちろん、疲れもあります。といっても、体力的なことじゃなくて精神面。すべてをはっきりさせたいというか、いろいろ考え込んでしまうタイプなんですよ。例えば、「友近はコントやモノマネをする女芸人」という意味ではたくさんの人に知ってもらえていると思いますし、歌番組に出させてもらったり、歌手デビューをさせてもらったりしたことで「歌える」ことも知ってもらえたと思うんですけれど、逆にそれしかできないと思われるのが嫌なんです。自分的には、こんなこともできる、あんなこともしてみたいというのがたくさんあるのに、イメージだけで「向いていない」とか「できないだろう」と思われている気がするんです。そういう印象を払拭していきたいし、いい意味でみなさんのイメージを裏切っていきたいと思っています。
  プライベートな部分では、デートでストレスを発散しています(笑)。彼と一緒にいるだけで楽しいし、安らぎますね。私は彼氏に対しても、お笑いに対する同じ価値観を求めてしまうんですけれど、今の彼はその部分でも相性バッチリなんですよ。だから、彼とああいうコントもできる(笑)。あのディランとキャサリンのコントって、ネタ合わせすることなくアドリブでやっているんです。もしかしたら、あのコントをやること自体がストレス発散になっているのかもしれません。
  ただ、結婚となるとまったく別の話。私は妥協できない性格なので、仕事と家庭、どっちにもとことんこだわってしまうと思うんです。そう考えると、仕事をやり遂げて自分が納得できてからじゃないと結婚できないのかなって(笑)。やっぱり、今のところは仕事がいちばんですね。決して妥協することなく、これからもいろいろなことに挑戦して行きたいと思います。
友近 ともちか
1973年、愛媛県松山市生まれ。旅館の仲居からローカル番組のレポーターを経て、吉本総合芸能学院(NSC)へ。卒業後、人物描写を活かしたコントやモノマネを持ちネタとするピン芸人として大阪を拠点に活動を開始。2003年に第33回NHK上方漫才コンテスト優秀賞、2004年に第25回ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞を受賞するなどめざましい活躍を見せ、東京に進出する。現在では『エンタの神様』(日本テレビ系)や『Goro's Bar』(TBS系列)など多くのバラエティ番組に出演。一方でテレビドラマや映画に出演するなど活動の幅を広げており、今後ますますの活躍が期待されている。血液型:B型、星座:獅子座。
お笑い芸人 友近さん
  発行/(財)生命保険文化センター
Interview & Writing/福田智生
Photo/吉村隆
Editor/宮澤省三(M-CRUISE)
Web Design/Ideal Design Inc.
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