今回から、子ども・子育てについてのコラムを担当します市川です。

現在、社会保険労務士の仕事をしながら1歳になる息子の育児をしています。このコラムでは、私の実体験を交えながら、社会保険に関する妊娠〜子育ての役立つ情報をお伝えします。

妊娠がわかってから

2年前の8月。夏バテかなあと思っていたら、妊娠が発覚しました。7月に入籍したばかりだったので、本人たちも周りも本当に驚きました。

12週を過ぎたころ、病院から、次の検診には母子手帳を持ってくるようにと言われ、市役所の窓口に、母子手帳をもらいに行きました。

母子手帳は住んでいる市区町村の窓口のほか、保健センターで発行してもらえます。

母子手帳には、妊娠期の過ごし方、子供の体調の見方や成長など、妊娠から育児までの知っておかなければならない情報が載っています。手続きは、発行する市区町村により異なりますので、市区町村のHPや窓口で確認しましょう。

また、母子手帳と一緒に、妊婦健診の補助券(妊婦健康診査受診票)が交付されます。

妊婦健診は、妊娠の経過が順調であれば、23週までは4週間に1回、35週までは2週間に1回、36週以降は1週間に1回受診します。

出産には、健康保険が使えません。分娩だけでなく、妊婦健診にも健康保険は使えないのです。妊婦健診は全額自己負担となります。

初めて健診に行った時、思っていたより高額でビックリしました(私の場合、すでに妊娠3ヶ月だったため、検査をまとめて行ったので特に高額だったようですが)。

この補助券があれば、自己負担はかなり軽減されます。補助券利用で助成金額を差し引いた金額のみ支払うことになります。公費負担となる補助額は市区町村によって異なります。

働く妊婦さん

少子高齢化で働き手が減ることを防ぐためもあり、働く女性の支援制度は拡充されています。特に、正社員でキャリアを積み上げてきた人が、出産を経ても同じように働き続けることができるように、法整備が進んできています。

産前休業は、出産予定日の6週間前からとなります。しかし、産休に入るまで今までと同じように働くことができる方は、そう多くはありません。実際に、有給休暇や休職制度を使って産休に入る前からお休みする方が多くみられます。

また、通勤時間をずらしたり、短時間勤務に変更したり、勤務時間中に健診に行くことも、会社に対応を求めることができます。

とはいっても、会社にどう相談したらよいのか…という方もいらっしゃいますよね。

そんなときは会社に妊婦さんへの配慮を求めるための決まった書式があるので、それを提出することで会社に伝えましょう。この書類名は「母性健康管理指導事項連絡カード(母健カード)」といいます。私の持っている母子手帳にも載っていました。厚生労働省のHPでも入手することができます。

(母健カード http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm

配慮が必要な時は、母健カードを医師に作ってもらい、会社に提出します。医師から配慮する指示が出たときには、会社はそれを実施しなければなりません。

また、産休前につわりなどで働くことができず、長期欠勤するときは、健康保険の傷病手当金を受給することができます。

(傷病手当金 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31710/1950-271

なお、妊娠・出産・育児について会社とトラブルになったときは、各都道府県の労働局にある「雇用環境・均等部(室)」に相談することができます。

支援が受けられない?!

さて、ここまで働く妊婦さんの支援策についてお話しましたが、私は一つも活用できませんでした。

なぜなら、個人事業主だったからです。

たとえば、先に挙げたつわりにより仕事に行けなくなったときの傷病手当金は、会社の社会保険に入っている方が受給対象となります。

会社員であっても、傷病手当金が受けられない場合があります。従業員5人未満の個人事業は、社会保険に加入の義務がありません。そのため、正社員なのに社会保険に加入しないで働いているというケースもあります。

その場合は国民健康保険に加入するのですが、国民健康保険には、傷病手当金制度がありません。出産手当金もありませんので、各種の手当金がもらえるんだ、と思っている方、それぞれの加入状況によって変わってきますのでご注意を!

また、パート等の社会保険加入の義務のない働き方をしている妊婦さんで、夫の社会保険の扶養に入っている場合も傷病手当金・出産手当金の制度がありません。

社会保険に加入していない場合、出産前後は収入が途絶えますので、あらかじめ、お金の準備をしておきましょう。

保育園探し

0歳から保育園に預ける予定の場合は、妊娠中に保育園を確認しておきましょう。

特に、出産予定が夏以降の方は妊娠中に動くことになるでしょう。いつでも入れればよいのですが、現在、待機児童が多い地域では、4月に入園することができないと、その後1年の途中から保育園に入園することは非常に難しいです。

妊娠中に保育園の申込期間を確認し、自分が動ける時期に保育園の見学を予定しておきましょう。私の地域では、保育園の申し込みは11月ごろで、9月ごろに見学会が行われていました。

法律で決められている育児休業は1年です。4月の入園時期に募集されることが多いので、1歳までに保育園に預けることができない場合には、1歳6ヶ月まで延長して休業できるようになっています。今年の10月からは法改正により、育児休業が2歳まで再延長できるようになります。

次回は、出産・育児の給付金や新生児の社会保険についてお伝えします。

プロフィール

小野 純

市川 恵(いちかわ めぐみ)

社会保険労務士法人 恵社労士事務所 代表。 日本大学卒業。 住宅の営業会社、メーカー、教育業界、IT業界等で人事業務を担当。2012年「恵社労士事務所」を開業。
現在は労務問題のアドバイス、就業規則などコンサルティング業務を中心に幅広く活動。「出産・育児の手続き」「マイナンバー」「育児介護休業法改正」等をテーマにセミナー講師としても活動。プライベートでは、2016年4月に長男を出産した。

閉じる