相談員にもとめられるもの 社団法人 全国消費生活相談員協会理事 関西支部副支部長 三上 啓子
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気がつけば、相談業務に就いて18年になる。こんなに長く相談員を続けられたのは、お手本としたい多くの先輩相談員に出会えたこと、研修講座や相談員協会の活動を通して刺激を受ける仲間がいること、そして、相談者とともに自分もすっきりと納得したい気持ちが強いからだと思う。

相談内容は世相を大きく反映する。社会の仕組みが変わるとき、その変化を捉えて新しい商品やサービスの悪質商法がでてくる。対応する相談員に求められる資質や能力も、時代とともに変化してきている。

基本はコミュニケーション能力であろう。いくら法律知識や解決方法を熟知していても、コミュニケーション能力がなければ、知識は役に立たず相談員としての役割は果たせない。

少なくとも10年くらい前までは、今となってはなつかしい(?)訪問販売等の典型的な消費者トラブルが大半を占めていたから、消費者関連法規の知識の習得とそれを相談現場でいかに活用できるかが問われていた。新しい知識の習得は日々の相談業務と直結していた。

そんな状況は、情報通信技術の急速な進展で大きく変わった。

情報不足が日常の不安や不便につながることもある。架空請求はがきや不当請求メールの相談では、対応を助言しても相談者の不安は増幅するばかりで、不安を鎮めるために多くの時間を要する。深刻な多重債務問題への対応にはカウンセリングの能力も求められる。

そして、振り込め詐欺や怪しげな「もうけ話」など、なりふり構わぬ商法が横行する現在。消費者の権利意識も強くなり、機会があれば発言したいと考える消費者も増えてきた。コミュニケーションが図りづらい相談者への対応など、相談員の人間性そのものを問われる場面も出てきた。

相談員は冷静で客観的な判断を求められる三人称の立場にあるが、相談者に寄り添う二・五人称の視点をもち続けたいと思う。

プロフィール 三上 啓子(みかみ けいこ)

三上 啓子(みかみ けいこ)
消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー。
(社)全国消費生活相談員協会理事 関西支部副支部長 城陽市消費生活センター相談員。

 
 
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