生活に必要な金融の知識を伝えたい 財務省関東財務局東京財務事務所 NACS経済市民教育推進グループ 窪田 久美子
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私からは、「NACS経済市民教育推進グループ」で行っている「お金についてもっと話そ!」の講座のうち、高校生向けの授業についてお話します。私たちは「分かりやすく印象に残る講座」を目指しています。寸劇・クイズ・ワーク等を活用し、普段の授業にはない私たちならではの講座を行っています。

今回は、高校の先生方からリクエストが多いクレジットカードの授業をご紹介しましょう。

授業のねらいはクレジットの仕組みを理解することです。クレジットカードは18歳になると親の同意があれば持つことができますが、ほとんどの生徒はクレジットカードを利用したことがありません。そこで、生徒による買い物の寸劇を行います。生徒はお客、お店の販売員、カード会社の営業員になります。
お客に同じ品物(ここではゲーム機)を3回買う体験をしてもらいます。

1回目は現金2万円で2万円のゲーム機を買います。

2回目、今度は現金1万円しか持ち合わせがありません。しかし私がお客に「同じ2万円のゲームを買ってください」と指示し、何とかゲーム機を売ってもらうように販売員と交渉してもらうのです(この場面ではセリフはなくお互い自分の言葉で交渉します)。しかし、販売員役の生徒はゲームを売りません。
私が「なぜ売らないの?」と尋ねると、「後でお金を持ってくると言われても信用できない」などと答えます。そこでカード会社の営業員が登場し、お客にクレジットカードを発行します。

そして3回目。お客は、クレジットカードを利用して同じ2万円のゲーム機を難なく買います。なぜ販売員はお客が現金を持っていないのに、クレジットカード1枚で2万円のゲームを売ってくれたのでしょうか。生徒はここから「信用」という意味や、クレジットカードの仕組みを学びます。そして、この後もワークやクイズを通して、クレジットカードの特徴や注意点を学んでいきます。

生活に必要な金融の知識を伝えたい 財務省関東財務局東京財務事務所NACS 経済市民教育推進グループ 窪田 久美子ところで、授業では寸劇用の名札・クレジットカード・ゲーム機・お金などの小道具やワークシートを使います。これらはすべて手作りですので、講師一人でこれだけの準備をするのはとても大変です。

そこで私たちのグループメンバーが頼りになります。手先の器用な人には小道具を作成してもらいます。また、事前に授業案の検討会を行い、見せ方が上手な人、アイディアが豊富な人、相談員が長く知識が豊富な人達から意見をもらうのです。

講座終了後、生徒から「クレジットカードの仕組みがよくわかった。」「メリットがあるからクレジットカードがビジネスとして成り立つことが分かった。」「劇が面白かった。」「カードは便利だけど、使いすぎに気をつけたほうがよいことが分かった。」などの感想をもらうと、これまでの苦労が吹き飛び充実感で満たされます。

その後「クレジットカードを上手に管理できる大人になってほしい」と願います。そのために、少しでも生徒の印象に残る講座を目指したいと思っています。

プロフィール 窪田 久美子(くぼた くみこ)

窪田 久美子(くぼた くみこ)
消費生活アドバイザー、ファイナンシャルプランナー(AFP)、自由が丘産能短期大学通信教育課程添削指導員。
日本ヒーブ協議会の事務局に勤務する傍ら、学校・PTAおよび地域住民などを対象にインターネット関連、お金や消費生活に関する講座を展開中。

 
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