第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | 第7回 | 第8回 | 最終回
web.05

第2回 ハッピー・ロングステイ実践中! 
真中義男(オーストラリア在住)  
  老後の生活の拠点を海外に置きたいと思ったことはありませんか? 真中義男さんは、リタイアメント後、ご夫婦でオーストラリアに渡航され、悠々自適な生活を満喫されています。オーストラリアで暮らし始めるまでの経緯や現在のライフスタイルについてお聞きしました。
  日本に“終の棲み家”を構えるつもりが…
  営業一筋に約38年、東京、大阪をはじめ14回の転勤生活をしてきました。子供は3人それぞれ大学入学時に別居し、独立していきました。
  定年を機に、それまで貸家にしておいた我が家に戻り、夫婦でここを終の棲家にとリフォームし、これからは地元に密着した落ち着いた生活をと計画していました。近くのコミュニティセンターにも通い、陶芸、木彫り、園芸、県民大学にと楽しんでいました。でも、それだけでは物足りず、近くの稲毛海岸でヨットクラブに入会し、仲間15人とクルーザーを購入したりもしました。そのために船舶の小型1級免許も取得したのです。東京アクアライン、房総半島、三浦半島など、仲間と出かけるクルーズは楽しかったです。また、その間、毎年2回くらいは海外旅行に出かけたりもしました。定年後3年ほどはそれなりに充実した老後と思っていたのです。
  きっかけは「海外ロングステイ講座」
  ある日、家内とぶらりと散歩がてら「海外ロングステイ講座」に参加しました。オーストラリア・ケアンズに住む日本人夫妻の生活ぶりが上映されたのですが、そのビデオに登場していたのが、なんと知人のSさんだったのです。日本と全く違った雰囲気の中、ご夫婦でゴルフを楽しんだり、ゆったりとした生活を送っていらっしゃるのが伝わってきました。
  Sさんは、私の元同僚。ご主人の定年に合わせてケアンズに移住されていたのです。早速Eメールを送りました。聞けば、近く一時帰国されるとのこと。早速、海外生活についてのレクチャーをお願いすることに。帰国されたとき、お宅に伺い、納得のいくまでケアンズでの暮らしの様子、費用など聞かせていただきました。
  海外生活トライアルへ出発
  とにかく1カ月間、現地で体験生活してみることに。 Sさんご夫妻のサポートのもと、市内、ビーチ、郊外と3カ所に住んでみました。
  実際住んでみると、ケアンズには魅力がたくさんあることがわかりました。大都会にはない安心感があり、いろんな国から移住してきたフレンドリーな人たちであふれています。日本からの直行便もあり、日本人在住者が多いのも安心でした。また、気候も温暖で、緑が多く、生水が飲めるという点も気に入りました。
  当時、子供たちは「英語の国だから」と私たち夫婦の渡航を反対していましたが、私たちは「2人とも今でなくては海外生活はできない。だからケアンズに暮らす!」と宣言しました。
  大変だった準備期間を乗り越えて
現在住んでいるユニットのエントランスで、マイカーとともに。
  それからの3カ月の準備期間が大変でした。退職者ビザを申請したり、家を貸家にするための家財道具の始末をしたりしなければならなかったからです。捨てられない物は、子供たちに少しずつ預かってもらうことにしました。
  無事にビザも発給され、家の借主も見つかったところでケアンズに渡航。2002年4月、私は64歳でした。娘夫婦と次男が休暇を取ってついてきてくれました。家探しや車の購入、テレビや電話、パソコンの設置など、私たち夫婦が生活するための基礎づくりを、彼らが約1週間にわたってサポートしてくれました。
  2人だけの生活が始まって間もなく、日本で英語の講師経験をもつオーストラリア人と知り合い、英会話を習うことになりました。レッスンは午前中に週2回、2年間続きました。英会話レッスン以外に、現地事情や習慣を聞いたり、電話で交渉ごとをしてもらったりもできたので、私たちの海外生活の滑り出しは、ラッキーな出会いから始まったと思っています。
  ケアンズでの暮らし
家内とレストランに出かけることも。
オーストラリアのワインもなかなかの味です。
  ケアンズは人口約14万人の小都市で、日本企業により観光の大部分が開発され、観光地になりました。そのため、日本人関係者も多く、町全体が非常に親日的で親しみやすく、治安もよいです。
  道路もゆったりしていて、運転も日本と同じ右ハンドルなので運転しやすいと感じます。また、日本人向けの医療体制も整っているのも心強いです。
  気候は12〜2月のこちらの夏を除けば、常時25〜28度と非常に快適で、一年間半袖半ズボンの軽装で過ごせます。
  また、野菜、果物は新鮮で安く、ワインもおいしいので食事が楽しみです。
  現在はユニット住まいです。日本で言うマンションといったところでしょうか。家具付きです。間取りは、2ベッドルーム(6帖)、リビングダイニング(20帖)、パティオ(6帖)。そのほかガレージと共同のプールがあります。家賃は1カ月約7万円です。
  特別な出費がなければ、25,000ドル(約20〜23万円)くらいで十分生活が楽しめます。こちらに来た目的の一つに、年金で生活ができるということがあったので、この点でも満足しています。
  ハプニング発生!
  我が家のこちらでの出来事といえば、妻の車での衝突事故。自動車保険に加入していたこともあり、双方で約70万円くらいの物損事故でした。でも、保険会社に行って事故状況を説明して、クレームナンバーをもらい、それを相手側に伝えるだけで非常にスムーズに解決。こちらの保険会社の対応のスピーディーさと、帰りはタクシーで自宅まで送ってくれるという親切ぶりには感心しました。同じ保険業界にいた者としては、考えさせられることが多々ありました。
  日本の運転免許でも運転できましたが、これをきっかけに、この州の交通ルールをよく知るためと、身分証明にもなるということで、こちらのライセンスに挑戦することに。辞書を引き引き約2カ月間の時間がかかりましたが、運良く2人とも合格でき、ドライバーライセンスを手にしました。英語も努力したら少しは何とかなるかなと、これからの生活の自信にもつながりました。
  海外暮らしで得たもの
娘夫婦が遊びにきたときには、一緒に乗馬を楽しみました。
  現在は、Sさんご夫妻のほか、2、3組のご夫婦と一緒に、週2回のゴルフを楽しんでいます。そのほか、フィッシング、乗馬、ドライブもします。最近はネット麻雀も覚えました。
  妻は好奇心が旺盛で、こちらの素材で作った料理を試したり、ほかの家族と情報交換したりしています。時々、お互いに招待しあってホームパーティーもします。
  こちらにいても日本の各局のテレビニュース、NHKの海外放送、5大新聞がチェックできますし、日本にいる家族とはパソコンの画像音声会話で連絡をとりあっています。孫の成長ぶりをリアルタイムで見ることができるのがうれしいです。
  こちらに住んで、何よりも感じるのは、大自然の中で自然と共生して過ごすことのすばらしさ。また、ゆったりとした時間の中で老後を過ごせているという充実感もあります。さらに、こちらは多文化社会なので多くの国の人たちと交流する機会があり、視野が広がったとも感じます。今後も夫婦ともに元気な限り、こちらでロングステイを続けるつもりです。
※「Long Stay」は、(財)ロングステイ財団の登録商標です。
<プロフィール>
真中義男
1938年生まれ。
リタイア後、2002年4月から退職者ビザでケアンズに暮らす。
  発行/(財)生命保険文化センター