いつからか、私は波乱万丈な人生を歩むようになってしまっていました。 |
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埼玉県のごく普通のサラリーマン家庭の3人兄弟の末っ子として育ちました。大手商社で普通のOLをしていました。転機は25歳、商社を辞めた時にやってきました。そして、波乱万丈な人生は29歳、離婚した時からはじまり、大変な30代をむかえたのでした。
27歳で結婚しましたが29歳で突然の離婚。32歳で母の病死。36歳で父の病死。まさか、30代で両親を亡くすという経験をするとは思ってもみなかったのです。しかし、それだけでは終わりませんでした。
36歳に未婚で妊娠。まさに「こんなはずじゃなかった」。私が子供を出産するなんて……。 |
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当時は、フリーで作家活動をしていました。35歳でお付き合いした男性は20歳以上も年上。人生の先輩としてすごく尊敬していたし、いい影響も受けました。しかし、彼は結婚対象ではありませんでした。一緒に生活することとお付き合いは違うと、この時に感じました。当時はまだ「負け犬」という言葉が流行していなかったのですが、まさに負け犬人生の王道を選択していました。彼はいるけど、結婚したくない。自立し、仕事中心で頑張るぞ〜!と意気揚々と過ごしていた毎日。そんなときに発覚した妊娠。元々、子供好きではなく、オムツ替えもしたことがありませんでした。電車などで子供の泣き声が嫌だったくらいでした。そんな私が妊娠です。もちろん、相手は当時お付き合いしていた彼。 |
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●出産直後の写真。
すごく幸せそうな顔をしています。 |
さて、産むのかどうするのか??? 実は悩むことなく「この子を産む」という気持ちが沸いてきたのです。今となっては不思議です。年齢的なこと。父を亡くした直後だったこと。などの要素がかみあって、「ひとりで産んでみる」という未婚の母の決意は思ったよりすぐに受け入れることができました。娘がお腹にいた時に「この子は母の生まれ変わりでは?」と感じ、女の子とわかった時には「やっぱり」と思ったくらいです。 |
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●左が私の7歳の時、右が娘が3歳の時の七五三。実は同じ着物を着ています。 |
今では娘なくしては、私の新たな人生は考えられません。仕事の幅は広がり、母親の気持ちを理解できることで考え方も変わり、子育てを通して、社会が見えてきました。8年前から取材を続けている「小学校受験」のお受験ジャーナリストとしての仕事も、娘を通すことによって、さらに詳しく掘り下げることができました。本当に娘が私を生かしてくれているのでは?と思う、毎日が感謝の日々なのです。
30代の10年間に、いろいろ体験した「こんなはずじゃなかった」の繰り返しの人生は、私に大切な友人やどん底にいたからこそ気づくことができる大切な考え方など、いろいろなことを与えてくれました。40代はこの経験をいい形で提供していく時期にきているのだと実感しています。 |
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